新卒の皆さまへ
企業はなぜ「新卒採用」を行うのでしょうか?
企業側の論理でこの問いに答えるなら、「将来性があり、教育しがいのある素直な人材を採用するため」ということになると思います。
大半の人は年を重ねるにつれ「常識」という衣をまとっていきます。そして時にその常識は、自分の可能性を狭めてしまいます。でも、社会にまだ出ていない無垢な学生は、自分の可能性を狭める常識を持ち合わせていません。
ですから、良い教育を受ければ受けるほど、優秀な人材へと育ちます。また、会社にとって大切である理念や文化が、しっかり浸透します。
ちなみに「いい会社」と言われている会社には、必ずその会社独特の理念や文化があります。それを社員が身に付け、大切に守るから、いい会社ができるのです。
そのように考えたときに、中途社員よりも新卒社員のほうが、その会社の価値観をしっかりと守ることに長けています。
これが新卒社員の素晴らしいところです。
一方で、新卒の皆さまにとっての「新卒採用」の役割を考えてみます。社会人生活というのは、最初に入った会社の常識や文化、仕事のスタイルなどに大きく影響を受けると言われています。最初が肝心ということです。
たとえば、僕も新卒で某レコード会社に入社し、約2年間働いていました。その会社では、新人にもかかわらず、入社してすぐに、取引先の開拓に先輩の手引きなく放り出されました。
ある意味、無責任とも言えますが、一方で、入ったばかりの新卒が会社の責任を背負って外に出ていくわけです。会社が自分を信頼してくれているのだと感じました。
その経験があったから、カヤックでも、新人に仕事をどんどん任せる文化をつくりたいと思いました。
このように、社会人1年目としてのスタートを切る会社は、自分の仕事観をつくってしまうので、慎重に選ぶ必要があります。「染まりたくないぞ」と思っていても知らず知らずに影響は受けてしまうものです。
だからこそ、「どうせ影響を受けるのなら、自分にとってよい影響を与えてくれる会社を選ぼう。」そんなふうに、気楽に考えたらよいのではないかと思います。
では、自分にとって「よい会社」とはどんな会社なのでしょうか?
それはずばり、「自分の自然体が受け入れられる会社」です。
人には向き不向きというものがあると思います。無理をして自分に合っていない業界に入ったり、苦手な職種を選択したり、合わない会社に入ってしまうと、自分に合っていない仕事のスタイルが身についてしまいます。
人生は何度でもやり直しができると心から信じるべきですが、一般的には最初に身についたものはなかなか払拭できないものです。
それらを踏まえ、皆さまに伝えたいことはひとつです。
ありきたりですが、就職する業界を選ぶときには、自分の好きなものや大切にしている価値観を見つめて、それを正直に伝えて、自分に合う会社を見つけるようにしてください。
誠実さを追求する努力は重要。
そうはいっても、そもそも自分の適性や好きなものがわからない、という方もいらっしゃると思いますし、そういう方が大半なのではないかと思います。
であれば、そんなにそこは深く考えず、なるべく誠実に面接で話をしてみてください。
企業の面接官は、皆さまよりも少しだけ先輩です。皆さまが見えていないことが、少しだけ見えています。
皆さまの向き不向きが面接から伝わってくれば、自分の会社に合うかどうかは、経験則から、少しだけわかります。面接官に限らず、他人のほうが意外とその人の本質が見えるものです。
ですので、いったん面接官に判断をゆだねてしまうというのが良いのではないかと思います。
ただ、相手に判断を委ねる以上、なるべく情報提供をする方が良いと思います。言ってみれば、できるだけ誠実に面接をすることですが、これが意外と難しい。人は自分自身に対してすら無意識に嘘をつくこともあるからです。自分自身に誠実に向き合う。それには多少なりとも努力が必要です。
いい会社であれば、その会社と価値観の合う人しか採用しません。新卒が無垢といっても、大切にしたいものが真逆の人に入社を薦めることはしないはずです。その会社に合った人を採用することに長けているからこそ、いい会社なのです。
自分に誠実に向き合うことに努力をし、誠実であることに自信をもってみてください。
何が自分に向いているのかわからなければ、「何が向いていますか?」と聞いてしまうくらいの覚悟があれば、天職に出会う最短の道を行けるのかもしれません。
カヤックが、新卒の皆さまに約束できること
約束できること① 個性を生かす
ありきたりな言葉ですが、カヤックは、社員の個性を大切にします。その人にしかできないことって何なのか?そこを追求していきます。
自分だけの個性ほど、強い武器はありませんし、周囲からも尊敬されます。それは会社にとってもプラスになるのです。
約束できること② 自由になる
カヤックの「自由」の定義とは、様々な角度から物事を見ることです。多くの価値観を理解し、その上で自分の選択をできること。そのために、カヤック内では、できるだけ情報をオープンにします。
異なる立場では異なる視点が生まれるので、それぞれの立場で見える世界をできるだけ伝えたいと思っています。
中途入社の社員によると、カヤックは驚くほどオープンなようです。
ただし、オープンであるか、そうでないかは、そもそも会社の規模によって基準が異なります。たとえば、10人の会社と1000人の会社では、10人の会社のほうがどうしたってオープンになりやすい。でも、同じ規模の他社と比較したらずっとオープンである、という会社を目指しています。
約束できること③ 履歴書に書くと有利
新卒で入社したからといって未来永劫カヤックにいる必要はありません。さまざまな理由で、退職することもあると思います。
その際に自分の履歴書にカヤックと書くことで、転職が有利になるような会社をつくることが経営陣の責任です。
そのために工夫していることは、オリジナリティのある会社づくりです。
「カヤックの元社員なら、とりあえず会ってみようか……」履歴書を見た面接官に、そう思われる会社づくりをすることを約束します。
ちなみにカヤックでは、会社を辞めるということをそれほど悪いことだとは思っていません。だから、誰かが辞めたいといったときは無理な引き留めはしません。
もちろん、辞めぎわは重要ですので、理由やその先のプランがしっかりしていないときはアドバイスしますし、まだそのタイミングじゃないと周囲が感じたときは、よいタイミングまで続けることを推奨したりもします。
約束できること④ イケてる上司しかいない
新卒で入ったときに、イケてない上司がいる組織ほどがっくりきてしまうことはないと思います。そんな思いをさせたくありません。上司は自分の目標となる人物であるべきだと思っています。
もちろん、経営者も上司もひとりの発展途上の人間なので、その都度失敗はあります。過去に上司にがっかりして辞めていった社員も、もちろんいます。
でも、カヤックでは上司であればあるほど、変わり続けなければならないという価値観があります。老害のような上司はいない方が望ましい。
そして現場を大切にします。現場にいなくて上からなんとなく偉そうなことだけを言う。そんな上司ばかりいる組織では働きたくない。そう思っています。
すごい人はたくさんいるけども、えらい人は一人もいない。そんな会社でありたい。
そのような組織をつくることを約束します。
約束できること⑤ アイデアをたくさん出せる人間になる
カヤックでは、新人であろうと誰だろうと、頻繁にブレストに参加してもらうことになります。
最初は緊張してアイデアが出せなくても、場数を踏むことでだんだん慣れてきます。アイデアの数をたくさん出せるようになります。
アイデアをたくさん出せる人間になるということは、世の中をポジティブに生き抜くすべを身に付けた、ということになります。
以上5つが、僕らが新卒の皆さまに約束できることです。
あなたの大切な仕事人生の第一歩をカヤックに賭けてくれるわけですから、その気持ちには最大限応えたいと思っています。
皆さまと一緒に働けることを楽しみにしています。
面白法人カヤック 代表取締役CEO 柳澤大輔
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