渋谷ヒカリエにて、7月24日よりスタートした「細田守監督作品『バケモノの子』展」。展覧会の最後に設けられた、「体感型展示エリア」内の、4つの体験型ブースの企画・開発を、カヤックでお手伝いしました。
今までの展覧会では考えられないようなインタラクティブ体験が出来るコンテンツを目指し、原作ファンであればその体験自体に必ず喜びが生まれるよう緻密に設計し、開発しました。
未来で待ってるブース(『時をかける少女』より)
ラストシーンで、主人公・真琴が川沿いの土手で千昭に別れを告げる、印象的なシーンを体験できます。千昭の等身大フィギュアの前に立つと、そっと「未来で待ってる」とささやいてもらえます。
通常、展覧会のフィギュアは見るだけのものですが、このブースでは千昭フィギュアにハグしたり触ったりすることが可能です。キャラクターに直接触れることを含めて、楽しめる設計にしました。
来場者がフィギュアの前に経ったことを検知して、夕暮れがさらにドラマチックな照明で照らしだされ、川面が輝くという演出も加え、没入感たっぷりの体験を目指しました。
フィギュア製作:アレグロ
よろしくお願いしまあああすっ!!ブース(『サマーウォーズ』より)
クライマックス、主人公・健二が、鼻血を垂れ流しながらEnterキーを叩くシーンをそのまま再現することができます。展覧会の会場内とは思えない、「叫ぶ」体験で該当シーンの緊迫感に入り込める仕掛けとなっています。作中では複雑な計算を解き、願いを込めて叫ぶシーンですが、このブースではその一番オイシイところを楽しめるようになっています。
叫んだ声にエコーが掛かったり、声のボリュームや長さによって表示される文字の大きさが変わったり、人工衛星「あらわし」が外に墜落すると地鳴りがするなど、体験すると楽しめる細かな要素を追求しました。
雪と雨の背くらべブース(『おおかみこどもの雨と雪』より)
主人公の花が、姉弟ふたりの身長を測って、ふたりの成長を記録していった柱。その柱の傷に手をかざすと、その当時のふたりが立体的に動き、微笑んだり居眠りをしたり体を揺らしたりと、多彩な表情を見せるアニメーションで現れます。
来場者の手をKinectセンサーで検知し、作中の花と同じ目線で、雪と雨の成長を見届けられるような、自然な演出を目指して開発しました。
キャラクターCG製作:Live2D4Kディスプレイ協力:SONY
OZメッセージブース(『サマーウォーズ』より)
作中に登場する仮想空間「OZ」の中に、展覧会の感想や、メッセージなどを自由に書き込めます。備え付けのiPadからメッセージを入力すると、「OZ」の中にポコっとフキダシが現れ、作中でのシーンさながらの書き込みを体験できます。
「OZ」の3Dは、ディテールにこだわり、ゼロから開発。作品発表時には存在しなかったiPadでの書き込みが体験できるのは、展覧会会場だけです。
4Kディスプレイ協力:SONY
展覧会には多くのファンの方が詰めかけ、初動3日間でのべ10,000人以上の方に体験いただき、SNSには体験の様子を撮影した写真が数多くアップロードされ、賑わいを見せました。
また、雨と雪の背くらべブースを取り上げたツイートが5000RT、10000お気に入りを突破するなど、公開と同時に様々なところで大きな反響をいただきました。
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