2017.04.05
#面白法人カヤック社長日記 No.25「何をするかより誰とするか」とは実のところどういうことなのか? (2017年の新卒に向けてのメッセージ)
4月です。新しい季節の始まりです。ことしも4月に、17人の新卒がカヤックに入社しました。
先ほどカヤックの広報から、「やなさん、今年も新卒に向けてのメッセージを書いてください」と言われました。
え、毎年書くんだっけ・・・?
新卒に向けてのメッセージってそんなに毎年変わるものなのかな、大事なことを伝えるとどうしても同じような内容になってしまうし、昨年のメッセージを見てもらえばよくない?
・・・と、反抗を試みようと思いましたが、気をとりなおして書いてみることにしました。
最近何かの本で読みました。ドイツには、「共に喜ぶのは2倍の喜び、共に苦しむのは半分の苦しみ」という有名なことわざがあるそうです。非常にいいことわざだな、と。心に残りました。
カヤックという会社は、「何をするかより誰とするか」を大切にしています。おそらく入社前にこのKeywordをカヤックのサイトで見かけただろうとは思います(読んでない方は読んでおいてくださいね)。
そして、カヤックに入社を決めてくれたわけですから、この言葉に何らかの共感はして頂いているのではないかと思います。
このKeyword、20年前は発信してもピンとこないと言われることが多かったのですが(ほんとの話です)、最近ではずいぶん共感も得られるようになりました。もともと会社は、事業を起こすために作られた仕組みですから、何をするか(=事業)の方が重要で、誰とするかはその次と言えます。
ただ、よくよく考えたら人生の幸せを追求するなら、人間関係が最重要な要素の1つであることは間違いありません。事業さえ成し遂げられればそれで構わないというのも、これはこれで1つ“戦う戦士”としては最強ですが、誰とするかも重要だという価値観が広がるのは人間の進化として当然ですし、良い方向だとは思っています。
では、このKeywordを自分が大切にしているという状態はどういう状態なのか、突き詰めて考えている人が果たしてどのぐらいいるでしょうか。
「何をするかより誰とするか」を大切にする、これはすなわち、冒頭で紹介したことわざ「共に喜ぶのは2倍の喜び、共に苦しむのは半分の苦しみ」、これを追求するということです。
皆さん、自分自身を今一度見つめ直してみてください。何かいいことが自分に起きたとき、あるいは相手に起きたときに、この人と共有すると喜びが2倍になるという人、また、何かつらいことが自分に起きたとき、あるいは相手に起きたときに、この人と共有すると苦しみが半分になるという人は、周囲にどのぐらいいるでしょうか。
そういう相手はそうそういないのではないかと思います。
でも、どうせなら周囲にそういう人がたくさんいる。そういう生き方をしたいものだと僕は思います。そしてそういう生き方をしたいと思っている人が、何をするかよりも誰とするかが重要だと思っている人なんだろうと思います。カヤックという会社は、そういう人たちの集まりにしたいと思っています。
社会が進化したことで、以前に比べて時間も場所も問わないフリーランスとしての働き方が選びやすくなりました。そんな中で、わざわざ組織に所属する価値は、仲間と出会え、喜びを共有することで何倍にも楽しくなる、苦しみを共有することで苦しみが軽減される。だからこそ、その組織にいたいと思えるようになるのではないでしょうか。
せっかく新卒の皆さんもカヤックに入社したのですから、そういう仲間となれるよう、一緒に成長していければと思うのです。
実際問題、「共に喜ぶのは2倍の喜び、共に苦しむのは半分の苦しみ」この状態になるのは、簡単なことではありません。
自分が苦しんでいる中で、仲間の喜びを素直に喜べますか?相手の苦しみをほんとに心から共感してあげることができますか?そんなことはなかなかできないと思います。自分に余裕がないとできないものです。
だから、まず新人の皆さんは、仕事を一生懸命頑張って一人前になることを目指すと良いと思います。そしてそれと同時に一人前じゃなくても、まずはとにかく自分が面白がるということ、すなわち心の余裕をもつ訓練にもチャレンジし続けてください。そのプロセスを経験することで、何をするかより誰とするかを大切にできる人間に成長していくんだと思います。
そして僕らカヤックの先輩陣も、新卒のみなさんが成長していく喜びを共有して、皆さんと一緒に楽しみ・喜びを倍増させられるように努力します。そして新卒の皆さんが苦しいときは一緒に苦しんで、苦しみが半分になるように寄り添いたいと思います。
どうぞカヤックを楽しんでください。
以上、2017年の新卒へのメッセージはこんな感じで締めくくりたいと思います。
参考までに、過去の新卒に向けてのメッセージを一部紹介します。
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