サイコロ給とスマイル給
サイコロ給とは?
世界でも類を見ないユニークなカヤックの給与システム。それが「サイコロ給」です。なんと、社員は毎月サイコロを振って給料を決めているのです。
といっても、給料の全額がサイコロで決まるのではなく、毎月「月給×(サイコロの出目)%」が、+αとして支給されます。たとえば、月額30万の人が、サイコロで6をだしたら、30万円×6%=1万8千円が賞与に+αで支給されるということです。よく誤解されるのですが、給料が減ることはありません。
サイコロで給料を決めるなんて不謹慎? いや、人間が人間を評価するなんて、そもそもいい加減なもの。もっともらしく説明したって、上司の感情ひとつで、どうにでも変わってしまうもの。
だったら、給料の仕組みにも、そのくらいの遊びがあっていいのでは? 自分の客観的評価を見つめるのは必要だけど、他人からの評価で暗い気持ちになるのはもったいない。
人間には、資本主義のモノサシで測れない価値もあるのだから。人間の評価や運命を、最後の最後は天に託そうじゃないか。そんな思いでカヤック創業時から取り入れているのが、サイコロ給です。
評価制度が面白法人の文化をつくる
カヤックは、面白がって働く人を評価する会社にしました。なぜなら、評価制度こそが社風をつくるからです。
「サイコロ給」は、報酬の一貫であり、すなわち評価制度の1つです。そのように考えると、このサイコロ給はどのような社風に繋がっていくのでしょうか。
「サイコロ給」がもつメッセージは、人が人を評価をしない評価制度を組み込んだということだと思います。
仕事はずばり評価そのものです。一緒に働く仲間にも、お客様にも、良い評価を得られなければ信頼されません。仕事とは評価の連続だと思ってもよいのではないでしょうか。
ですが一方で、人はいちいち他人の評価を気にしていては楽しく働けないということも一理あるかと思います。
カヤックの社員にはぜひとも面白く働いてほしい。だから人の評価なんて気にするな、そういう思いをこの「サイコロ給」に込めました。
この評価制度によって、面白法人の社風がつくられているのだと思います。人の評価をしない評価「サイコロ給」こそが、面白法人のコアであることは間違いありません。
昨年度カヤック社員
サイコロ給アベレージ TOP3
スマイル給とは?
2006年、社員のアイデアから導入した給与制度。それが「スマイル給」です。
某FCチェーンの「スマイル0円」から、ヒントを得ました。支給額は、ゼロ円。
仕事の喜びは、お金だけで測れるものじゃない。だったら、お金に換えられない報酬を「給与」にできないだろうかという試みです。
仕組みはこう。社員の誰もが、毎月ランダムに別の社員1人を評価する。ただし、その評価は相手の長所に限る。
つまり仲間を、褒めてあげるということ。それを「スマイル給」と称して、給与明細に記載する。
たとえば、
即戦力給 0円
作業スピード超特給 0円
鎌倉のザッカーバーグ給 0円
各自の「スマイル給」が、なぜそのようなネーミングなのか、解説を社内ネットワークで公開。全社員が、みんなのスマイル給を閲覧できます。
他の人の「スマイル給」を見て、その人の新たな面を発見することもよくあります。
ふだんは照れくさくて言えないけれど、仲間がここを見てくれている。ここを認めてくれている。0円だけど、0円以上のお金に換えられない価値がある。それが「スマイル給」です。
お金の力で世の中を面白く
お金はなんだかんだ言っても、本当に魔力を持っています。
「サイコロ給」をよくメディアから取材していただけるのも、単に面白いからだという以上の意味があるのではないかと感じています。
「サイコロ給」の思想の根底には「お金より大事なものがある」という思いが込められている一方で、この制度がお金にまつわるものだからこそ、興味をもっていただけるのではないかとも思うのです。
「スマイル給」も同じです。ただ褒め合うだけではなく、給与明細を開くという重要なタイミングで、ゼロ円と記載して伝えることが効果的なのだと思います。
つまり、この「サイコロ給」や「スマイル給」は、お金の魔力にあやかって、世の中を面白くしていこうというチャレンジだとも言えるのではないでしょうか。
カヤックは地域の新しいコミュニティ通貨「まちのコイン」をつくっています
もらうときも、あげるときも。お金で買えないうれしい体験がある。