カヤック流ブレストのやり方 | 面白法人カヤック

カヤック流ブレストのやり方

そもそもブレストとは?

ブレストは、ブレインストーミング(brainstorming)の略。アレックス・F・オズボーン氏が1953年に提唱した会議形式であり、たくさんのアイデアを出すための発想法の一つです。みんなでアイデアを出すことで化学反応を起こし、ひとりでは出せないアイデアをたくさん出すことができます。既存の枠にとらわれず革新的なアイデアを出すために有効な手法です。

カヤックではブレストを使ってアイデアを出すだけでなく、面白がる体質になるためのトレーニングとしても活用しています。(詳しくはこちらのページをご覧ください。)

カヤック流ブレストの基本的なやり方

大切な2つのルール

カヤック流ブレストにおいて、2つのルールを大切にしています。

1. 他人のアイデアに乗っかる

そもそも、ブレストは1人でアイデアを出すための会議ではなく、集団でやるものです。もちろん、1人でもくもくとアイデアを出すことも時には重要です。しかし、1人でアイデアを出すとなかなか自分の枠を破れません。「いい企画を思いついた!」と思っていたら、自分が10年前に考えた企画と一緒だったなんてことも意外とよくある話です。それに対して、ブレストでは、他人のアイデアに乗っかることが求められます。ある人がぼそっとつぶやいたアイデアをしっかりと受け止め、そこからインスピレーションを得たアイデアをかぶせていく。そうすることで、自分だけでは考えも及ばなかったアイデアが生まれていきます。これこそが、ブレストのよいところです。

2.ブレストではとにかくアイデアの数をたくさん出すことが最優先

ブレストの最大の目的は、アイデアの数をたくさん出すことです。だから、アイデアの良し悪しは問いません。面白いことを言おう、良いアイデアを出そう、と思わなくていいんです。ただただシンプルに、会議中に出たアイデアの数が少なければ失敗、たくさん出たら成功です。どのアイデアを実行するか決めるのは後回しです。数を出すことに集中していると、結果的には、出たアイデアのほとんどは意味のないものや実現不可能なものになると思います。でも、それでよいのです。しつこいようですが、数をたくさん出すことが目的なのですから。

ちなみに、よくブレストでは「否定をしてはいけない」というルールもありますが、それはこの目的に則ったものです。否定すると、アイデアが出にくくなるからです。試しにどんな方法でもいいので出たアイデアをとにかく褒め合ってみてください。そのほうが、否定するよりも確実にたくさんのアイデアが出やすくなるのが実感できるはずです。

ブレストのメンバー・人数

ブレストの参加人数は3名〜5名がよいでしょう。また招集するメンバーは様々な職種や職歴の人を集めるのが望ましいです。カヤックでは、ディレクター、デザイナー、エンジニアなど、幅広い役割の人がブレストに参加するようにしています。人数が少なかったり属性に偏りがあったりすると、多面的な意見を反映できません。逆に参加人数が多すぎると意見を言えない人が出てきてしまいます。適切な人数でブレストを行うことで、参加者全員からたくさんのアイデアが出るようにしましょう。

ブレストのツール・用意するもの

ブレストでは短時間にたくさんのアイデアがでます。それらをすぐに書きとめることができるようにホワイトボードを用意しましょう。メモするだけなら紙とペン、パソコンやスマホでもできます。しかし大切なのは全員が書きとめられたアイデアを簡単に確認できる状態をつくることです。その方が議論の流れやすでに出たアイデアを踏まえて、さらに新しいアイデアを発想することがしやすいのです。

またブレストではアイデアを出すために脳をフル回転させます。長時間かけてダラダラとおしゃべりをするだけでは脳が活性化されず、多くのアイデアを出すことができません。そこで時計やスマホなど、タイマーの役割を果たすものを用意し、時間を区切ってブレストに集中するようにしましょう。

ブレストの進め方

まずブレストのお題を参加者全員がしっかりと理解できるように、お題の背景やアイデアに対する前提条件や制約を確認します。次に、参加者の中から、アイデアを書きとめる書記を決めましょう。書記は、自分も発言しながらも、参加者がお題にそって思いつくアイデアを”そのままの言葉”で書き留めていきます。
”そのままの言葉”が大切です。書記の人が要約してしまうと、発言者の人の意見が否定された気持ちになってしまうかもしれません。アイデアの数を出すために大切なのは、どんなに些細なアイデアでも発言していいんだという空気感をつくり、心理的安全性を確保することです。そのために誰かが発言したら、それに対して他の参加者は相槌をしたり、「いいね!」とリアクションをしましょう。そうすることで参加者の誰もが発言しやすい雰囲気になります。

カヤック流オンラインブレストのやり方

オンラインブレストの注意点

オフラインであれば素早く円滑なコミュニケーションができるため、短時間にたくさんのアイデアを出すことができます。また、それらを素早く書き留めることも可能です。
しかし、オンラインのブレストでは少しのタイムラグがあるため、スピーディーなコミュニケーションが難しく、会話の流れが遅くなったり、止まってしまったりすることがあります。これでは短時間でたくさんのアイデアを出すことは難しいです。

そこでオフラインとは違うやり方やツールを使うことでその問題点を解消します。

オンラインブレストのツール・用意するもの

全員で一度に共同編集ができるドキュメントを用意しましょう。カヤックではGoogleのスライド、ドキュメント、スプレッドシートなど共同編集できるものを利用します。特におすすめなのが『MIRO』というオンラインホワイトボードです。
これは普通のホワイトボードと同じように、オンライン上の仮想ホワイトボードへ付箋を貼ったり、文字を書き込んだりすることができるツールです。MIROが特に優れている点は書き込んだアイデアを自由に配置できるため、ブレストの後に出たアイデアをグルーピングする際にとても便利です。

オンラインブレストの進め方

オンラインブレストの参加人数も、オフライン同様に3〜5名程度がおすすめです。まずファシリテーターを1人決めましょう。ファシリテーターは最初の5分でブレストのお題や背景、どんなアイデアを出してほしいかを参加者に説明します。

つぎに15分ほどアイデア出しの時間をとります。この時間ではお互いに会話はせず、一人で黙々と考え、思いついたアイデアを共同編集ができるドキュメントに書き込んでいきます。一人で考えるのは大変ですが、通常のブレストと同じくアイデアの質よりも量にこだわって、とにかくたくさんのアイデアを書き込みましょう。

▲カヤックで実際に行われたMIROを使ったブレストの様子。とにかくたくさんのアイデアを思いつくままに書き込んでいく。
▲カヤックで実際に行われたMIROを使ったブレストの様子。とにかくたくさんのアイデアを思いつくままに書き込んでいく。

アイデアを出し終わったら、お互いのアイデアを確認する時間を設けます。ファシリテーターが画面を共有し、ドキュメントを見ながら書き込まれたアイデアを順番に見ていきます。この時間では主にファシリテーターと発案者が会話をしながらアイデアの詳細やイメージを全員に共有します。他の参加者はいいアイデアがあれば「いいね!」と共感を示したり、追加のアイデアがあれば手元に書き留めたりしましょう。

最後に全員のアイデアを見終わったら、アイデアをグルーピングします。グルーピングはファシリテータが行います。グルーピングした後に、足りない部分があれば追加でアイデアを考えたり、参加者の宿題として新しいアイデアを考えてきてもらったりします。

オンラインブレストのコツや注意点

オンラインではスピーディーなコミュニケーションができないという点が難しいポイントになります。そこで、時間を区切ったり発言する順番を決めておくことで会話が円滑に進むよう心がけましょう。

熱量や共感が伝わらずブレストが盛り上がりにくいという点も懸念点です。かといって、気持ちを伝えるために不用意に発言すると、相手の会話をさえぎって進行を止めてしまう可能性もあります。そこでビデオチャットのカメラをオンにして身振り手振りによるリアクションをしたり、共同編集するドキュメントに感想を書き込んだりしてその場を盛り上げましょう。

また事前に共同編集ができるドキュメントを共有しておけば、はじめから各自がアイデアを書き込んだ状態からブレストを開始できるので、オフラインよりも効率的に進行することができます。

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