ちいき資本主義事業部は、地域資本主義を推進するという意味に加え、さらに「地域を開いていく」という姿勢を表すものとし、「地域」を「ちいき」と平仮名にしました。
経済合理性だけにとらわれず、多様な価値観のもとそれぞれの地域が個性的になり、あらゆる人に開かれ、その人のライフスタイルに適した地域を選択できると、もっと豊かな暮らしになるのではないでしょうか。
環境資源の限界、少子高齢化による過疎、事業承継などさまざまな地域課題に対して、ちいき資本主義事業部では、カヤックのもつクリエイティブ力と鎌倉で実践してきたコミュニティづくりの経験から、地域に関わる人たちがまちづくりをジブンゴト化するお手伝いをしています。
人のつながりをつくりその地域が好きになるコミュニティ通貨や、その人らしい暮らし方をみつける移住支援、地元に愛される起業家を育てる起業支援拠点運営などのサービスを、自治体や企業に提供しています。
地域には、地域経済資本・地域社会資本・地域環境資本の3つの資本があると考えています。経済的な豊かさだけを追い求めるのではなく、人のつながりやコミュニティ、自然や歴史、文化などさまざまな魅力を活かして、地域ならではの豊かさを実現する。GDPに加えて、これらの地域の豊かさを計る指標をつくり、新たな豊かさや幸せを定義したいと考えました。
※ここ至るまでの考えは、以下のブログや書籍で読むことができます。『地域資本主義』の原点が気になる方はこちら!
・カヤック代表 柳澤による「鎌倉資本主義」のメモ その1・その2
・柳澤大輔 (2018). 『鎌倉資本主義』. プレジデント社.
・柳澤大輔 (2020). 『リビング・シフト 面白法人カヤックが考える未来』. KADOKAWA.
豊かな人のつながりや活発なコミュニティのある地域は魅力的です。でも、それを計るモノサシはありません。そこでカヤックでは2つのアプローチから、この人のつながりを数値化しています。
一つは、コミュニティ通貨サービス「まちのコイン」。人のつながりやコミュニティの活発さをコインの流通量で可視化することができます。
もう一つは、移住スカウトサービス「SMOUT」の「ネット関係人口スコア」。インターネット上で各地域に関心を寄せたり、関わったりしている人を独自のアルゴリズムで計算し、算出しています。
この2つのモノサシができたことで、豊かな人のつながりをもつ地域や、地域に関心を寄せている人が見えてきました。また数値化することで、もっとつながりを増やしていこうとジブンゴト化できると考えています。
カヤックグループでは、地方創生に関わる事業を5階層に整理しています。下層2段は基礎となる考え方や活動で、上層3段が収益要素になります。プラットフォームを拡充し、まちづくりの効果を高めます。
前述した地域資本主義の考えがグループ全体の地方創生事業の土台となっています。
2013年に、鎌倉を拠点として企業活動をおこなうIT企業7社が集結し、「カマコン」というコミュニティが誕生しました。カマコンは、肩書きや立場を超え、鎌倉を盛り上げたいという熱い想いをもった人をITの知識やツールを武器にして支援していくコミュニティです。地域で働く人・暮らす人がつながり、地域の価値を向上させる活動に取り組むことで、地域がより魅力的になり、職住環境が好きになる。そんな人たちがどんどん増えていくと考えています。
ちいき資本主義事業部は2020年7月に発足し、連結子会社であった株式会社カヤックLiving(2017年9月2日設立)と株式会社QWAN(2018年8月28日設立)の吸収合併を経て、移住スカウトサービス「SMOUT」やコミュニティ通貨「まちのコイン」等の地域活性化プラットフォーム事業を展開しています。
「地域おこし協力隊フェス」を開催し、地域移住増を目指す活動を促進したり、鎌倉・石垣・八女・秋葉原をはじめ数々の地域への「まちのコイン」の導入が進んでいます。カヤックのまちのコインメンバーも大幅に増員中です。まちづくりへ取り組む地域への更なる支援を整えていきます。
#面白法人カヤック社長日記 No.90 『なぜ僕は地域通貨が盛り上がると確信しているのか。お金の歴史から解説してみます。』
#面白法人カヤック社長日記 No.100 『「地域資本主義サロン」まちづくりの実地見学レポートをお届けします。』
地域活性の取り組みに対して、カヤックの得意とするコンテンツ制作を請け負っています。地域プロモーションなどカヤックが得意とする実績が増えてきています。
カヤックは特徴的な地域事業や不動産開発への投資を行っています。とくに四階層目までの活動について包括的に関わる地域に対しては、主体的で積極的な関与を進めます。地域が活性化することで地域価値は上昇し、中長期的な投資効果があると考えています。