2014.11.13
#面白社員インタビュー No.6独自の分析理論と未来予測でヒットを連発するオタクリエイター天野清之のこれまでとこれから
技術やデザインもこなし、カヤックという会社を体現するかのようなクリエイティブディレクター天野清之。今ではアニメなどオタク系案件のトップクリエイターとして活躍する彼ですが、入社当初は困難だらけだったとか。その逆境を覆し今の地位を勝ち取るまでには、長く険しい闘いがありました。
― 前職はゲーム制作や映像編集などの会社なんですね。
- 天野
- はい。映像系のインタラクティブなコンテンツを制作していたんですが、ディレクションの経験も増えたのでディレクターをやってみたいと思い、中途入社しました。でもWebメインでやってきた訳ではなかったので、最初は苦労しましたね。会社的にもクライアントワークが変化するタイミングだったので積み重なってキツい時期でした。
- 経験も少ない中、広告代理店の方々とアイデアが出るまで打ち合わせするのもザラで、成長の実感はあったけど、プレッシャーは常にすごかったですね。カヤックって入社してから役職や大きな案件を与える時期が早いんですよ。そしてガッツリ任されるので、生存力は自ずと身につきますね。
― 前職と状況が違いすぎて驚かれたのでは?
- 天野
- 実は入社して3カ月経った時、面談で「必要なレベルに足りてない」って言われたんです。
- そこでどうしたかというと、サンプルサイトと架空の企画書を急いでつくって「モックアップを作って、企画を立てるというやり方もできるのが自分の強みです。もっと自分の特徴を出した働き方を模索するので、それを見て再度評価してください」と訴えたんです。
― そんなことがあったんですね。
- 天野
- その後の面談でも、毎回弱音が出そうになりましたが、とにかく「絶好調です」と答えていました。気持ちが追い詰められてもネガティブな言葉を出すのは絶対ダメだと思っていました。自分も心が折れるしそれが相手にも伝わっちゃうから。
― それでも辞めようとは思わなかった?
- 天野
- 辞めたらもったいないですしね。30歳で転職した理由は、急成長する会社の環境下で成長したかったからです。それなのにそこから逃げてしまったら、もう二度とクリエイターなんてできないなと思いました。だから粘って、必死に成長できるよう努力しました。
― そこから自分らしい仕事ができてきたと実感できたのはいつ頃?
- 天野
- 企画部に所属して1年ほどが経った頃、部署異動の話が出たんです。働き方はどの部署でも変わらないとお任せしますと伝えたところ、閃光部に異動になったんです。異動当初は大変でしたが、企画部から閃光部に行く前例もないから仕方ないですね。
― 閃光部に異動してからの仕事で思い出深かったものは?
- 天野
- 「Domino's App feat.初音ミク」ですね。
- あと異動直後に手がけたテレビ東京の「ドリームクリエイター」という生放送番組の案件かな。当時カヤックに所属していた鈴木さんからの紹介でテレビ東京の山田プロデューサーとお会いして、ずっとやりたかった「3Dキャラクターが生放送にリアルタイム出演する」という企画を提案して実現できたのですが、これが色々と変化するきっかけになったと思います。それに、今から3年以上前だったので、かなり早い試みでしたし。
- ゲーム実況や、ボーカロイドなど新しい文化をいち早く上げている番組だったので、実現できたのだと思います。山田プロデューサーとは今も懇意にさせていただいていますが、テレビ番組の制作現場にクリエイターとして参加させていただいたのは本当にいい経験になりました。
― その後、再びディレクターに戻られたそうですね。
- 天野
- はい、いろんな経験を積んだからこそ、僕ならではの提案をして仕事を獲得してきたり、本当にありがたいことに僕個人への仕事の依頼をいただいたりもしています。
- 最近だと、でんぱ組.incを使ったICEカップヌードルのキャンペーンや、アニメ「ピンポン」のキャンペーンなどです。ちなみに、先ほど述べた「Domino's App feat.初音ミク」ではYahoo! JAPANインターネットクリエイティブアワードGoldをいただくことができ、喜びもひとしおでした。
独自の分析理論とカンを活かして少し先の未来を考える
― 「これをやるなら今だ」という判断力や勘がすごいんでしょうね。
- 天野
- そうですね、自分のスキルの中では一番信頼できるかも。ものごとを独自の論理で分析するのが好きなんですよ。例えば、クリエイティブにもトレンドがあったり、デバイスの進化で表現できるものがテキスト→画像表示→高解像度動画→3DCGとデータや処理が重い順に繰り返しているので、それらをうまく予想すると「今はこれ!」という予想がついたりします。
- デバイスについては手で持つスマートフォンからもっと身体へ近づいていくはずなので、新しいデバイスが出たらテキストや画像などを表示した表現で面白いコンテンツを求められたりすると思います。
― そういう分析から少し先の未来を予想して物をつくると。
- 天野
- そうですね。そういう分析をするのは好きですし、新しいことにもたくさん挑戦していきたいです。
― 今後やってみたいことはありますか。
- 天野
- 自分の個性や世界観をもっと出せるようになりたいです。今後はさらに興味のある分野に関わっていきたいです。もっとMVやCM、アニメのオープニング制作の依頼が来るようになれば嬉しいです。
いかがでしたか。逆境に負けない精神が、周りの評価も人生も変える。いつになくタフで熱いクリエイター天野清之でした。
天野のインタビューでカヤックに興味を持った方はぜひRECRUITページをご覧ください。
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