2021.04.30
アラフォーの僕らがカヤックで築きあげた、自分らしい働き方と暮らし方
都内から鎌倉へ移住し、カヤックへ中途入社した松田さんと有江さん。クライアントワーク事業部の40代中堅メンバー同士で、キャリアや暮らしのシフトチェンジ、会社への思いについて語ってもらいました!
松田 壮
(写真向かって左)
1980年生まれ、2011年入社。クライアントワーク事業部/プロデューサー
必殺技:漢気
有江 慶彰
(写真向かって右)
1974年生まれ、2016年入社。クライアントワーク事業部/プロジェクトマネージャー
必殺技:絶妙な落としどころ
30歳からエンジニアへの転身、決め手は「すごい技術」と「くだらない面白さ」
ーーカヤック入社以前について教えてください。
- 松田
- 10年前まで大手建設会社の総合職で、現場へのIT導入などを行っていました。もともとコードを書くエンジニア職ではなかったんですが、休日に趣味でiPhoneアプリをプログラミングしていて、それがちょっとバズったりしまして。個人的に作ったものが世の中で役に立ったという体験が忘れられず、転職を考えるようになったんです。
ーー松田さんは異業種からの転職ですよね、カヤックの事は知っていたのですか。
- 松田
- 「技術に強い、WEBの世界で目立っている会社」というイメージでした。30歳からエンジニアとして新しくキャリアを積む上で、これくらいすごい人たちがいるところでチャレンジしたい憧れがあった。他の会社は受けずに、ピンポイントでカヤックだけ受けました。
- コンテンツにも惹かれましたね。社長が直々に社員紹介する『ワガシャノホープ』とか、1個100円でアイデアを得る『元気玉』とか、ユニークなセンスがすごく好きで。「技術がすごい」と「くだらない面白さ」のマッチが独特だった。
40代でカヤック入社、鎌倉に根ざしアイデアで課題に挑みたい
ーー有江さんは、どのような流れでカヤックに?
- 有江
- 僕は都内でSEをしていたのですが、土日も仕事に追われ、やりがいにも疑問を感じていた。子育てのことも考えて、2012年に鎌倉に引っ越してきたんです。鎌倉では『カマコン』という地域活性化コミュニティーに参加していて、その『カマコン』を立ち上げたやなさんの経営するカヤックにも、魅力を感じていました。どちらもブレストでとことんアイデアを出し合い課題解決に役立てるスタイルで、入社後のイメージもできていた。転職を後押ししたのは、松田さんが出ていた「今のカヤックには大人が必要です」というインタビュー記事です。カヤックは若い人の会社だし......と躊躇があったんですが、40代でもいいんだと思えた。
- 松田
- 実際、カヤックはみんな若いよね。平均年齢30代前半です。「朝弱いので電話して起こしてください」なんて言ってくるメンバーもいるし。フラットという意味では、中年でもなじみやすいかもしれない、笑。
- 有江
- あとは、鎌倉で暮らして子育てして、土地に根づいて働きたいと思っていたので、「これから2年後に鎌倉に本社を作る」という話を聞いて、決意が固まりました。
「間に入る才能」と経験を活かしながらPMを極める
ーー入社後はどのようなお仕事をされてきましたか。
- 有江
- 入社当時は子どもがまだ小さくて、家に早く帰れる仕事を探していました。カヤックの自社サービス 『Lobi 』チームならわりと決まった時間に帰れると聞いて、3年半ほどPM(プロジェクトマネージャー)をしていました。子どもが小学校にあがり動きやすくなり、他の部署にも興味が出てきて、1年半前にクライアントワーク事業部に異動させてもらい、今に至ります。
ーークライアントワーク事業部に異動してみてどうでしたか。
- 有江
- 今ちょうど、クライアントと一緒に1週間かけてチームビルディングやアイデア出しのお手伝いをしています。以前『カマコン』でブレストやファシリテーター、司会をした経験が役立っている。これは『Lobi 』チームでは無かった動きで、自分の変化や進化にもつながって面白いですね。一つの会社の中で転職したみたい。色々な経験ができる会社だな、と感じました。
ーー経験から得た必殺技はありますか。
- 有江
- 実は、20代でプログラマーになる前に、劇団やお笑い芸人をしていたんです。手を動かすより、人と喋ったりコミュニケーションするほうが合っていて、キャリアの早い段階でPM職になっていました。ベンチャー企業にいた頃はすごいとんがったエンジニアがいっぱいいて、その中でまわさなきゃいけないのもあり、だいぶ揉まれましたね。あと、年の離れた兄が2人いて、その間に入るような立場で育ったんです。ちょうどいい落としどころを見つけるのは、幼少期から得意かもしれない。
- 松田
- 有江さんは流れを整えてほしい現場で真価を発揮する。グルーと言うか、本当にうまく間に入ってくれるんですよね。カヤック側だけがアイデアや実装を提供するのではなく、クライアント側とフラットにつないでくれて、一緒に作り上げていけるようになった。
社内ジョブチェンジで見出した、自分だからできる役割
ーー松田さんは、社内でもいろいろなポジションを経験されてますね。
- 松田
- 入社して10年ですが、転職するように社内ジョブチェンしているイメージかな。
- 今は存在しないのですが、入ってすぐ通称『ブッコミチーム』と呼ばれる新規事業開発部にいました。当時は一年で3個とか4個とか、とにかくサービスやアプリを作っていましたね。その後、『Lobi 』チームやクライアントワークなど、事業部だけでも何度も変わっています。僕の場合、エンジニアをしている時から、クライアントのインターフェースになっていた。技術的な提案をするテクニカルディレクター、つまり半分エンジニア・半分ディレクター、という役割でした。そこから次第にコードを書かないディレクター専任になってきた感じですかね。今年からは、ディレクターと一緒にチームとして、複数の案件を束ねていくプロデューサーになりました。
ーー社内でのジョブチェンジを重ねて、どう感じていますか?
- 松田
- 職種を変えずに成果を上げていくと思っていたけれど、このままエンジニアリーダーをしているより、ディレクターの方が関われる案件数も広がり、キャラクターが活かせるんじゃないか、ということになって。内なる危機感と外からの期待があって、変化を求められてきました。パッと見れば、順調にステップアップしてるように見えるかもしれない。でも新しいこと、未経験のチャレンジばかりなのでやっぱり不安ですよ。評価が一気に下がったこともありましたし。僕らは相対評価で月給が決まるので、「これは負けていられないな」って気になりました。自分だからできる役割を意識するようになりましたね。
ーーそれはどんな役割ですか?
- 松田
- クライアントとは、本音でズバッと話します。いわゆる「受託」というスタンスで案件に入っていくと、クライアントの意向に寄りすぎてしまうこともある。僕はエンジニアから入ったゆえに、実現可能性や優先順位などを説明しながら、クライアントの企画に対する期待度をコントロールして提案することができるようになった。
- 有江
- 営業面が強く出ちゃうと、クライアントに対して受け身になることもあるけれど、松田さんは作り手としての誠実さが強い。そこは、断固として意見をしっかり伝える。その場はピリッとするけれど、また次の期も依頼が続いて、いい関係性が作れている。松田チームの一番の見どころがそこ、ちゃんと信頼につながっているんです。
クライアントのコアなビジネスを、オーダーメイドでサポート
ーー現在、クライアントワーク事業部のプロデューサーやPMとして、どんなお仕事をしているんですか?
- 有江
- 主に受託案件を取り扱う部署です。松田さんはクライアントに近い場所で動いてもらって、ニーズを汲みとったり、お金を管理する。僕はPMとして制作部隊のプランナーやエンジニアをつないで、案件を形にしてクライアントとミーティングしています。
- 松田
- うちのチームは、有江さんを含めカヤック内でも年齢層高めで、広告やPR寄りではない案件が多いのが特徴ですね。一気に話題化させるキャンペーンやWebサイトを作るより、クライアントのコアなビジネスサポートに注力している。商品開発や、コミュニケーションの場づくりなどをお手伝いすることが多いです。
- 有江
- 例えば、住友生命の健康増進型保険『Vitality』の公式コミュニティサイト『Vitality部』では、ファンコミュニティ形成にも一緒に取り組みました。
- 有江
- 僕たちは、クライアントが達成したいものは何か、そのためには何を作ればいいのかを常に考えています。KPIは「露出を増やす」「PV数を上げる」だけではなくて、「納得度」のように、よりオーダーメイド色が強いですね。カヤックの得意技であるバズをあまり使えないんですけど、笑。
アフターコロナこそ、全員でドライブしていくチャンス
ーー今後目指しているものは?
- 松田
- チームの内側にも目を向けて、それぞれのメンバーの魅力をクライアントの課題や目指す地点とマッチさせたい。事業やプロジェクトを成功に導くだけじゃなく、仕事によって輝きや使命感が見出されることが「プロデュース甲斐」だと思うんです。単に職能だけのアサインになると、パフォーマンスにも影響が出る。
- 有江
- そうですね、「やらされ感」が一番よくない。カヤックで大事にしている言葉が「ジブンゴト」。松田さんは、クライアントワークにおいて受け身にならず、全員がジブンゴトになる場を作っていると感じます。
- 松田
- それに、僕が絶対にインターフェイスになる必要はないと思う。何をどう作りたいのか、どういう場で自分の価値が出せるか、できるだけ作り手自身が伝えられるようにしたいです。
- 特に、オンラインで仕事が完結できる時代になって、ミーティングやプレゼンにチーム全員で参加して、それぞれの担当領域を話せるようになった。ディレクターやプロデューサー以外も、前に出るきっかけが増えたんです。それぞれの案件でドライブしていくメンバーが違ってもいいと思っています。
- 有江
- このチームの案件では、クライアントも僕たち作り手もワンチームのようにつながれることが多々あるんです。カヤックの目指してきたものが、ここにあるのかなって感じる。
ーーどんな人と一緒に仕事してみたいと思いますか?
- 松田
- ふんわり「カヤックに来たら自己実現できますよ」って言うのも、誠実じゃないと思っていて。例えば、僕のキャリアを見て「エンジニアで入ってきても、プロデューサーにもなれるんだ」と感じる人の方が向いていると思う。自己保存よりも成長機会、一つの型にはまらず自分の可能性を試すことに順応できる人、かな。自分もまだその途中にいるんですけど。
- あと、実はオールラウンドなプレーヤーは求められていないんじゃないかな。素晴らしい仕事をするけど、お金の管理が苦手なプロデューサーもいる。他の会社なら、まずないですよね。お互いに強みを発揮し合い、多様性が活かされているのがカヤック。
- 有江
- 「これもやっていいんですか、でも僕これは難しいんですけど......」が許される場があるっていうのは、大きな魅力ですよね。組織の個人個人が自立していて、凸凹を否定しない。きれいに職能で切れるような役割分担じゃないんです。
- そもそも鎌倉の特徴の一つが、小さいものが一個に統一されずに、個性を持ったままつながっているところ。その地域性がベースにあって、カヤックを作っていると思うんです。「歯車感」や「毎日これでいいんだっけ」という葛藤を抱えているならぜひ。カヤックでの仕事は、生き甲斐を感じるんじゃないかな。
カヤック的「職住近接の暮らし」ってどうですか?
ーー仕事以外についてもお聞きしたいのですが、子育てとの両立はできていますか?
- 松田
- 頑張っています、笑。コロナ禍の中、妻が2人目を妊娠していて育休を1ヶ月取りました。あと、保育園が時短になって4時半にはお迎えがある。とにかく、いったん4時半には出ることにしたら何とか浸透してくれた気がする。もちろん、限られた時間できちんと結果を出すことが大前提ですが。大変ですけど、心配した以上に理解があった。
- 有江
- 「子どもの夏休みにはお昼ごはんをどうするか」という懸念に対しては、僕が一度家に戻ってランチを食べさせて、また会社に戻っていました。徒歩出勤だからできる、今までになかった体験。家族との時間を作りたいというのが大きな目的で移住し転職したので、いよいよ実現できたな、と感じましたね。
ーーカヤックで働いてみて、暮らしにも変化があったんですね。
- 松田
- 想像以上にありましたね。会社に短パン、ビーサンで行けちゃうとか、既成概念に縛られない「ゆるさ」がいい影響になっているとも思う。課題解決をいつも頭の中で探しているこの仕事は、プレッシャーとは切り離せないんです。そういった思考のストレスはよしとしても、本質的じゃないストレスは無くていい。
- 有江
- たしかに。特に満員電車や、往復何時間もの通勤ストレスからの解放は大きい。それが無くなることで、本当に集中しなくてはいけないことに、時間を割けていますね。地域や人とのつながりも高めやすい。実は入社時、偶然にも松田さんと同じマンションに住んでいて、びっくりしましたよね! オフィスの周りでも、知っている顔が身近にウロウロしているのも面白い。
- 松田
- 転職や移住したからといって、何でも解決できるわけじゃないと思うんです。ただ、「職業を選ぶ」「住む場所を選ぶ」って、一人一人に与えられている権利で、カヤックはそれをとても大事に考えている。独特の福利厚生があり、選択肢があり、応援して理解してくれる環境なのは事実。僕もこの環境に確実に助けられている気がしますね。
ーーカヤックへの思いをひとこと。
- 松田
- 四半期に一度、代表との面接があるんですけど、最初に言うのは「『まちの保育園』と『まちの社員食堂』を作ってくれて、ありがとうございます!」なんです。子どもを預けるにしてもごはんを食べるにしても、単に社内に作るんじゃなくて地域の人のための場所にもなっている。
- 松田
- 入社当時と10年たった今では、「イケてる会社だと思う基準」が変わりました。最初は、技術や尖った面白さに目が行っていました。今は、会社がどれだけ面白いものを作っているかを語る前に、「まちに開かれた保育園や社食を運営している会社なんです」って言えるのが嬉しい。魅力的な仕事にも関われますが、社会に対する広いスタンスも誇れる会社だと思っています。
取材・文 二木薫
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