2022.05.12
カヤック執行役員が北海道下川町のCIO補佐官に着任
〜 デジタル人材育成やデジタル化による働き方改革などの推進目指し、「地域活性化起業人」派遣に関する協定書を締結〜
株式会社カヤック(本社:神奈川県鎌倉市、代表取締役CEO:柳澤大輔、東証マザーズ:3904)は、総務省が推進する「地域活性化起業人」プログラムを活用し、北海道下川町へカヤック執行役員をCIO補佐官として派遣する協定を5月12日に締結いたしました。「地域資本主義」を掲げる当社にとって、多様化する地域課題の解決に関わることは重要な経営テーマです。当社の得意とする固定概念にとらわれない発想力・企画力、それを実現する技術力で地域のデジタル化推進、持続可能なまちづくりや住民のウェルビーイングの実現に貢献し、地域と共に成長する企業を目指します。
地域のDX課題解決を自社の経営成長に活かす
カヤックは鎌倉に本社を置く地域企業です。「つくる人を増やす」という経営理念のもと、広告やSNSプロモーションといったコンテンツ制作からゲームの企画・開発、VR・メタバース開発など幅広い事業展開をしています。地域ならではの豊かさを実現する「地域資本主義」を提唱し、2020年には「ちいき資本主義事業部」を設立。移住スカウトサービスの「SMOUT」やデジタル地域コミュニティ通貨「まちのコイン」といった地方創生や地域コミュニティの活性化を推進しています。
北海道北部にある下川町は、人口約3,100人、面積の9割を森林が占める小さな町ですが、SDGs未来都市の一つであり、2017年に第1回「ジャパンSDGsアワード」総理大臣賞を受賞するなど先進的な取り組みは、国内外から注目されています。一方で、約4割が65歳以上と高齢化が進む下川町では※、今後ますます労働力不足や自治機能の低下などが深刻化してきており、デジタル化が急務となっています。しかしながらデジタルリテラシーの高い人材不足や限られた予算の問題からデジタル化が思うように進んでいないのが現状です。
こうした地域が抱えるDXの課題解決に当社が主体的に取り組むことで、「地域資本主義」の実現と当社の企業成長に繋がると考え、下川町への派遣が決定いたしました。6月1日より下川町の総務課にCIO補佐官として着任する執行役員管理本部長の柴田は、当社のユニークな人事制度や企業文化を牽引してきた中心的な経営人材です。また、社内で唯一の「Tシャツ部」部員として、季節を問わず365日いつでも半袖Tシャツで過ごしています。なお、「地域活性化起業人」の活用は3人目となりますが、役員の派遣は初めての試みです。
今後も自治体との連携を推進し、地域と共に成長する地域企業を目指します。
※出典:「第2期下川町まち・ひと・しごと創生総合戦略」(2021年3月)https://www.town.shimokawa.hokkaido.jp/gyousei/.assets/%E7%AC%AC2%E6%9C%9F%E7%B7%8F%E5%90%88%E6%88%A6%E7%95%A5.pdf
「地域活性化起業人」とカヤック
「地域活性化起業人」は、令和2年度まで推進されていた「地域おこし企業人」プログラムを刷新し、三大都市圏に所在する民間企業等の社員を、そのノウハウや知見を活かし、一定期間(6ヶ月以上3年以内)地方公共団体が受け入れ、地域活性化に向けた幅広い活動に従事してもらう取り組みです。
カヤックは本制度を活用し、2021年に2名の社員を青森県藤崎町および三重県玉城町へ派遣し(現在も派遣中)、北海道下川町で3人目となります。
参考:プレスリリース 「カヤック初、青森県藤崎町・三重県玉城町と 「地域活性化起業人」に関する協定を締結」(2021年4月21日) https://www.kayac.com/news/2021/04/kigyojin
派遣概要
1.所属先
下川町役場 総務課
2.派遣期間予定
令和4年6月1日~令和5年3月31日
3.業務内容
(1) デジタル人材の育成に関すること。
(2) デジタル化による働き方改革の推進に関すること。
(3) 自治体の情報システムの標準化・共通化に関すること。
(4) マイナンバーカードの普及促進に関すること。
(5) 自治体の行政手続のオンライン化に関すること。
(6) 自治体のAI・RPAの利用促進に関すること。
(7) テレワークの推進に関すること。
(8) セキュリティ対策の徹底に関すること。
(9) 地域社会のデジタル化に関すること。
(10) デジタルデバイド対策に関すること。
(11) その他、DX推進に関すること。
4. 派遣者
執行役員管理本部長 柴田 史郎(41歳)
北海道帯広市出身。2011年カヤック入社。2013年から人事部長。面白法人を他社にない非金銭報酬を得られる場所にすることで、面白く働けることをミッションにする。2020年から管理本部長。売上を直接つくらない管理部門の成果を、コスト削減以外の形でどう定義し実行するかを試行錯誤し、管理本部の改革に着手。
柴田史郎からのコメント
カヤックの管理本部長として、これまで複数事業を束ねる全社方針や中長期の経営戦略に取り組んできました。現在、当社の経営戦略の重点領域である「地域資本主義」の実現に向け試行錯誤する中で、自分自身も地方自治体の行政に本質的に関わりたいと考えました。下川町のCIO補佐官と管理本部長を兼任することで、地域がもつ課題を主体的に捉えることができ、カヤックの経営戦略にもフィードバックしていきます。
出身地である北海道の活性に貢献し、日本全国の地方創生に繋がる取り組みを、下川町から発信していきたいと思います。
北海道下川町長・谷 一之氏からのコメント
当町では、現在、「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ(ゼロカーボン)のまち」を目指す取り組みや、「2030年における下川町のありたい姿(下川版SDGs)」の「誰ひとり取り残されず、しなやかに強く、幸せに暮らせる持続可能なまち」の実現に向けたまちづくりを進めています。
その基本方針である「働き方改革とデジタル化の推進」について、この度、当町のCIO補佐官に就任頂く柴田史郎さんのお力を頂きながら、共にデジタル技術を積極的に活用した業務の効率化と住民の利便性向上、地域の活性化を目指した「下川町DX」を積極的に展開してまいりたいと思っております。
<下川町について>
下川町(しもかわちょう)は、北海道の北部に位置する人口約3,100人のまちです。面積は644㎢(東京23区の面積に相当)で、その約9割が森林で覆われ、豊かな自然資源を背景に、農林業を基幹産業とした農山村地域であります。2018(平成30)年、政府の「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に選定され、経済・社会・環境の三側面の価値創造及び統合的解決による「持続可能な地域社会(森林未来都市)の実現」を進めているところです。
そして、まちの特徴としては、冬季オリンピック選手を多数輩出しているスキージャンプのメッカであり、さらに、北海道産小麦100%使用した日本最北の手延べうどんの生産や、寒さを活かした氷のランプシェード・アイスキャンドル発祥のまちとして、真夏は30℃、真冬はマイナス30℃の60℃の寒暖の差や、四季の変化に富んだ地域特性を活かしたまちづくりに取り組んでおります。