2024.10.03
カヤック、総務省による「地域おこし協力隊の戦略的広報」に係る総合企画・運営事業を受託
〜国内最大級の移住スカウトサービス「SMOUT(スマウト)」の豊富な知見を活かして総務省と連携し、協力隊の応募者数増加と活性化を図る〜
株式会社カヤック(本社:神奈川県鎌倉市、代表取締役CEO:柳澤大輔、東証グロース:3904、以下「カヤック」)は、総務省の「地域おこし協力隊の戦略的広報」に係る総合企画・運営事業を、2024年9月26日に受託したことをお知らせいたします。本事業は、都市部から地方に移住して地域活性化に貢献する、地域おこし協力隊の応募者数増加と促進を目的としています。地域おこし協力隊の採用において多くの成功例を重ねてきた、自社運営の移住スカウトサービス「SMOUT(スマウト)」(登録自治体数約1,070団体、登録ユーザー数約6万1千人(※1)の知見と、自治体や移住関心層とのネットワークを活かし、地域おこし協力隊の応募者数増加に貢献してまいります。
※1 2024年10月3日時点。
・「SMOUT」公式サイト https://smout.jp/
◆背景と目的
地域おこし協力隊は、人口減少や少子高齢化などの課題を抱える地方自治体が、都市部の人材を地域の新たな担い手として受け入れ、地域力の充実・強化を図る政策として2009年に創設された取り組みです。2024年4月の総務省の発表によると、2023年度の隊員数は前年度比753人増の7,200人。受け入れ自治体数も48増えて1,164団体となり、隊員、受け入れ自治体ともに過去最多を更新しました。政府は、地域の活性化・移住促進の両面で効果が出ているとして、2026年度までに隊員数を1万人に引き上げることを目指し、より広い層にアプローチして応募者数を増やす戦略的広報に力を入れています(※2)。
一方、カヤックは2018年6月より、移住に興味のある人や地域とつながりたい人と、地域の人とをマッチングする移住・関係人口促進のためのWebサービス「SMOUT」を運営しています。中でも地域おこし協力隊の採用に関しては、自社オンラインイベント「地域おこし協力隊フェス」での応募促進、自治体向け協力隊採用セミナーの開催など、多種多様な形で協力隊の施策を展開して多くの採用成功例を重ね、「協力隊といえばSMOUT」というブランドを確立。これらの実績が評価され、本事業の受託に至りました。
総務省と協業体制を築くことで、カヤックでは本事業の目的である地域おこし協力隊の増加のほか、自治体の受入体制づくりやミスマッチの解消など、制度自体の進化・強化をともに推進してまいります。
※2 ・総務省「令和5年度 地域おこし協⼒隊の隊員数等について」(令和6年4⽉5⽇)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000941085.pdf
・総務省「松本総務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年4月5日)」
https://www.soumu.go.jp/menunews/kaiken/01koho0102001336.html
◆具体的な取り組み内容と今後の展開
本事業では、「SMOUT」で培ったノウハウを詰め込んだ施策を展開し、地域おこし協力隊と、カヤックが得意とする面白みのあるコンテンツの融合を図ることで地域おこし協力隊の応募者数増加を目指します。具体的には次の4つの取り組みを実施予定です。
1.「SMOUT」の強みを活かしたオンラインイベントを開催
移住スカウトサービスである「SMOUT」は、地域おこし協力隊への応募を検討しているユーザーが多く、20代から50代まで幅広い層が登録しています。年齢層やライフステージに応じて検討のタイミングが異なることを踏まえ、それぞれのニーズに合わせたオンラインイベントを毎月実施します。イベントは、「SMOUT」がこれまで培ってきた知見と実績を凝縮したプログラムで構成しており、自己分析ワークショップや地域選定のための講座を通じて、参加者が自分に最適な地域での暮らしを具体的にイメージし、応募に繋がるようサポートします。
また、50代以上の退職後のセカンドライフを検討する「グッドエルダー層」を対象に、「50歳からの地域貢献」をテーマにしたオンラインイベントも開催予定です。
イベント情報はビジネスパーソン向け情報サイト「DIAMOND online」でも紹介します。同サイトは、読者の約6割が40代~50代、さらに7割が都市圏(関東・関西)に住むビジネスマンです。この読者層に加え、移住への関心が高い「SMOUT」ユーザーを含めることで、さまざまな段階にある移住検討者の参加を促します。
2.大手メディアやサービスとのタイアップイベントを開催
地域おこし協力隊への興味層・検討層のタイプに合わせたメディアやサービスとタイアップを行い協力隊の応募に繋げます。
<タイアップ予定のメディア>
① 20代〜40代の、新たなキャリアを模索中の “ネクストキャリア層” × <オンライン経済メディア「Business Insider Japan」>
「Business Insider Japan」は転職経験のある読者が多く、自身のキャリアを前向きに模索する傾向が強く見られます。イベントでは、これからの生き方に焦点を当てて、地方移住や協力隊の選択肢を伝えていきます。
・「Business Insider Japan」公式サイト https://www.businessinsider.jp/
【イベント概要】
人口減少、過疎化、高齢化……「課題先進国」と言われる日本、そして地方圏での可能性を見出すウェビナーを開催予定。地域社会に希望を見出し、持続可能な新しいモデルをつくろうと奮闘している有識者の展望や地域で働く実例を、移住や複業、起業に挑む人々のリアルなエピソードを通じて紹介する。地域に関心のある方は必見。
開催日時:11月中旬実施予定
②20代〜40代の、地方移住に憧れを持つ “キャリアシーカー層(※)” × <日本最大級の求人情報サイト「バイトル」>
「雇用型(会計年度任用職員)」の働き方をテーマにするなど、移住と移住先での就職に対する不安を取り除く企画を実施。就業を伴う地方移住のきっかけとなるような情報を発信します。
※積極的にキャリアを追求し、新たな職業機会やキャリアアップを目指している人々
・「バイトル」公式サイト https://www.baitoru.com/
【イベント概要】
都心部在住の移住に興味のあるバイトル利用者は、移住と移住先での就職に対する不安を抱えている人が多い傾向にある。地域おこし協力隊の制度紹介、実際に隊員となった方の体験談やトークセッションを通じ、移住・就業イメージを持つきっかけになるイベントを、ウェビナー形式で開催。
開催日時:1月下旬実施予定
その他のメディアでも、ターゲットに即して積極的に情報発信を図ってまいります。
3.新たな魅力あるWebコンテンツの作成
「SMOUT」やカヤックのサービスでユーザーの満足度が高いコンテンツを、地域おこし協力隊向けに新たに制作し、協力隊の募集情報などを掲載するWebサイト「JOIN」(https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/)を起点に、SNSや広告で発信します。
例えば、「SMOUT」が毎年リリースする「地域系サービス・メディアカオスマップ」(※3)のフォーマットを活用して地域おこし協力隊の募集情報を整理したり、協力隊への疑問を一問一答形式でわかりやすくまとめたコンテンツの制作を予定しています。
また、協力隊になるまでのステップを気軽に読めてSNSとの相性も良い漫画コンテンツにすることで具体的なイメージを描けるよう後押しするとともに、SNSのフォロワーやリピーターの増加にもつなげます。
※3 「2023年の移住と関係人口を総まとめ!地域系サービス・メディアカオスマップ」
https://lab.smout.jp/map2023
4.Webサイト「JOIN」の改修
一般社団法人 移住交流推進機構が運営し、地域おこし協力隊に関する情報が集約されているWebサイト「JOIN」(https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/)の集客を最適化して、訪問者のエンゲージメントを高めることで、PV(ページビュー)数の持続的な増加を狙います。具体的には、ニーズ別にカテゴリ・特設ページの作成や回遊を高めるためのUX改善、自然検索からの流入を増やすためのSEOの最適化に着手します。
◆「SMOUT」の地域おこし協力隊に関する実績
「SMOUT」はこれまで、地域おこし協力隊の採用に関して多種多様な形で施策を展開してきました。「SMOUT」に掲載された地域おこし協力隊の募集関連プロジェクトは4,057件、プロジェクトに対して「応募したい」がついた数は9,226件となっています(2024年9月28日現在)。
〈これまでの施策例〉
①オンラインイベント「地域おこし協力隊フェス」の開催
地域おこし協力隊に興味を持つユーザーを対象に、「地域おこし協力隊フェス」を2021年10月から11月にかけて、約1ヶ月半に渡り開催。本フェスでは、参加者が現場で活躍する協力隊員のリアルな声を聞き、地域の実情を深く理解できる場を提供しました。また、地域とのマッチングをサポートするプログラムや、オンライン面談・選考のステップを含む一連のプロセスを通じて、応募を促進するための支援を行いました。
②「自治体向け協力隊採用セミナー」の開催
「なかなか応募につながらない」「求める人材に出会えない」といった課題を抱える自治体の地域おこし協力隊の採用担当者向けに、課題解決のためのセミナーを開催しました。このセミナーでは、総務省および各自治体の担当者が登壇し、応募者の傾向や、地域が求める人材と効果的に出会う方法、さらにミスマッチを防ぐための重要なポイントについて、具体的な事例を交えながら解説。本セミナーを通じて、各自治体がより効果的な募集活動を行うための実践的な知見を提供しました。
③「地域おこし協力隊図鑑」の連載
「SMOUT」のオウンドメディア「SMOUT移住研究所」(https://lab.smout.jp/)では、各地で活躍する地域おこし協力隊員にインタビュー取材を行い、その記事を掲載しています。取材記事では、地域と真摯に向き合う隊員たちが抱くさまざまな思いや夢、着任までの経緯、そして着任後のリアルな体験を詳しく紹介しています。これにより、協力隊に興味を持つ方々が応募を検討する際に参考となる貴重な情報を提供しています。
◆「SMOUT」事業責任者・宮本早織のコメント
ありがたいことに、ここ数年で自治体の方々から「SMOUTといえば協力隊に強いですよね」と評価いただく機会が増えてきました。全国の自治体ご担当者さまや企業の皆さま、そして「SMOUT」のユーザーとコミュニケーションを重ねる中で、地域おこし協力隊制度の大きな可能性と同時に、課題も実感しています。この制度は地域活性化にとって非常に有用なものですので、一事業者として何かさらに貢献できることはないかと常に考えてきました。そのような中で、今回この機会をいただき、取り組みに参加できることを非常に楽しみにしています。これまでの6年間の「SMOUT」の運用経験を通じて培った知見やネットワークを最大限に活かし、移住や協力隊の分野で総務省の皆さまとともに、制度の深化と進化を共に進めていきたいと考えています。