地域おこし協力隊の採用成功の秘訣「ミスマッチ防止の10の心得」を公開ー移住・関係人口創出サービス「SMOUT」と兵庫県 | 面白法人カヤック

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2024.11.25

地域おこし協力隊の採用成功の秘訣「ミスマッチ防止の10の心得」を公開ー移住・関係人口創出サービス「SMOUT」と兵庫県豊岡市が協働

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プレスリリース報道関係社各位

〜地域おこし協力隊の着任100人以上、定住率87%(※1)を誇る豊岡市とSMOUTが、採用成功の秘訣を伝授!全国の協力隊活動への貢献を目指します〜

豊岡市が大切にする「コウノトリ」と「地域おこし協力隊」の存在を重ねた。頭文字を繋げると「しあわせなまっちんぐ」になっている

株式会社カヤック(本社:神奈川県鎌倉市、代表取締役CEO:柳澤大輔、東証グロース:3904、以下「カヤック」)が運営する移住・関係人口促進のためのマッチングサービス「SMOUT(スマウト)」と兵庫県豊岡市は、徳島大学大学院教授/令和6年度 地域おこし協力隊アドバイザーの田口太郎氏監修のもと、地域おこし協力隊の隊員と、受け入れる地域のミスマッチを防ぐための指針をまとめた「地域おこし協力隊の幸せな採用 10の心得」を2024年11月25日に発表しました。
地域おこし協力隊の豊富な採用実績を持つ豊岡市が、本心得を、協力隊員に関心のある層および地方自治体にシェアすることで、全国で課題となっているミスマッチの解消を目指し、総務省が掲げる「三方よし」ー地域おこし協力隊・地域(住民)・地方公共団体の良好な三角関係ー(※2)の実践と活性化に貢献してまいります。
さらに、この発表を記念して、12月6日(金)に地域おこし協力隊の採用担当者向けオンラインセミナーを開催いたします。詳細・お申し込みは後述をご参照ください。

※1 任期満了後定住率 87.5% (2023年度時点)
  ・豊岡市「地域おこし協力隊 100 人達成および 2023 年度移住者実績」
  https://www.city.toyooka.lg.jp/res/projects/defaultproject/page/001/029/562/20240501-2.pdf

※2 総務省「地域おこし協力隊ハンドブック(令和6年度作成)」
  https://www.soumu.go.jp/main_content/000943959.pdf

◆背景と目的

・地域おこし協力隊の概要と課題

地域おこし協力隊は、2009年に総務省が創設した地方創生施策の一つです。この制度は、人口減少や少子高齢化といった課題を抱える地方自治体が、都市部から人材を呼び込み、新たな地域の担い手として地域活性化を推進することを目的としています。また、地域おこし協力隊・地域(住民)・地方公共団体の良好な三角関係「三方よし」をモデルに掲げています。
2024年4月の総務省の発表によると、2023年度には協力隊員が7,200人に達し、活動地域は全国1,100以上の自治体に広がりました。政府は2026年度までに隊員数を1万人にする目標を掲げています(※3)。一方で、自治体と隊員が望む活動のミスマッチや、地域住民と隊員のトラブルによって、任期途中で隊員を退任してしまうケースも目立ち、運用の改善が課題となっています。総務省の調査では、2019 年 1月1日から同年12月31日までの期間中、任期途中で退任した隊員は 604 人、そのうち106 人がミスマッチが原因と回答。ミスマッチを防ぐためには、隊員の受入れ・サポート体制の構築が必要不可欠と報告されています(※4)。

※3 ・総務省「令和5年度 地域おこし協⼒隊の隊員数等について」(令和6年4⽉5⽇)
    https://www.soumu.go.jp/main_content/000941085.pdf
   ・総務省「​​松本総務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年4月5日)」
    https://www.soumu.go.jp/menunews/kaiken/01koho0102001336.html

※4 ・総務省「地域おこし協力隊について」P.10 任期途中で退任した隊員数とその理由(R1)
    https://www.soumu.go.jp/main_content/000707762.pdf

・地域おこし協力隊に強い、豊岡市と「SMOUT」

豊岡市の地域おこし協力隊に関する実績(2024年5月1日)

兵庫県豊岡市では、2014 年に地域おこし協力隊制度を導入し、2024年5月には着任した隊員数が累計100人に上りました。さらに、任期満了後の定住率は87.5%を達成と、協力隊制度の活用に成功している地域といえます。
一方「SMOUT」は、累計登録ユーザー数6万3,000人以上・累計登録地域数1,000以上(2024年11月現在)、国内最大級の移住・関係人口促進のためのマッチングサービスです。特に地域おこし協力隊の施策に強みを持ち、2024年9月からは、総務省の「地域おこし協力隊の戦略的広報」に係る総合企画・運営事業を受託しています(※5)。

※5 カヤック、総務省による「地域おこし協力隊の戦略的広報」に係る総合企画・運営事業を受託
   https://www.kayac.com/news/2024/10/soumusho

・「地域おこし協力隊の幸せな採用 10の心得」の誕生

この「SMOUT」と豊岡市が連携して、互いの経験と実績をもとにまとめた指針が「地域おこし協力隊の幸せな採用 10の心得」です。豊岡市が今後も、地域おこし協力隊の希望者をより良い環境で迎え入れ、「三方よし」の推進を図ることを目的としています。
策定にあたり、徳島大学大学院で「まちづくりの自律化プロセス」をテーマに研究、実践を行う田口太郎教授が監修を行いました。田口教授は、令和6年度 地域おこし協力隊アドバイザーも務め、「地域おこし協力隊 10年の挑戦」(農文協2019、共著)、「『地域おこし協力隊』は何をおこしているのか?」(星海社2024、単著)などの著書があります。
本心得を公開することで、豊岡市の指針を全国に知っていただき、地域おこし協力隊・地域(住民)・地方公共団体の三方が幸せでいられる協力隊制度の推進を目指してまいります。

◆「地域おこし協力隊の幸せな採用 10の心得」

「地域おこし協力隊の幸せな採用 10の心得」シンボルマーク

地域おこし協力隊・地域(住民)・地方公共団体の三方が幸せでいられるために必要な10の要素を、これまでの豊富な採用経験を元にまとめました。
豊岡市は、国の特別天然記念物であるコウノトリを保全し、コウノトリと共に生きるまちづくりに取り組んでいます。コウノトリと同じように、地域おこし協力隊も豊岡市にとって大切な存在であるという思いを込めて、コウノトリをモチーフにデザインしました。
また、愛着を持って覚えてもらうために、10の頭文字を繋げると「しあわせなまっちんぐ」になるように構成し、さらに豊岡市の温かみが感じられる方言を取り入れています。

・「し」っくりきとるんか。受け入れ目的と意思確認
豊岡市は、地域おこし協力隊の受け入れ団体と両者で話し合い、地域おこし協力隊を受け入れる意志と目的を明確にします。これはミスマッチを防ぐ第一歩です。

・「あ」んしんだっちゃ! 地域が連携、受け入れ体制
地域おこし協力隊の採用から着任後のサポートまで、受入団体と協力隊担当そしてサポート団体が連携体制をとっています。

・「わ」いらぁの仲間に思いやり。卒業後も考えた採用
「着任する協力隊のこと」はもちろん「受け入れる地域のこと」も大切に考えます。採用方法や着任後の環境そして、卒業後のことも考えた採用計画を立てています。

・「せ」んめいにしてみんちゃー!着任後のすがた
豊岡市では、選考の過程で必ず現地に来ていただき、関係者と交流していただきます。活動の説明を丁寧に行いながら、応募者側と受入側のイメージギャップをしっかり埋めていきます。

・「な」んとなくは、あっきゃ〜へん。本音のコミュニケーション
相互理解を深めて、幸せな採用を目指します。協力隊希望者と採用側が本音のコミュニケーションをとれるように環境づくりを心がけています。

・「ま」っとくでー、よーけ設ける準備期間
採用が決定後も移住の準備期間をしっかり設けて、安心して移住してもらうようにサポートします。

・「っ」ながりでゃぁーじ、一人にせんよサポート体制
着任後に、協力隊が孤独にならないように、交流会や研修会そして定期的な活動サポートを行います。「ちいきのて」という協力隊のサポート団体も準備しています。

・「ち」ょうどえぇ、気持ちよく活動できる環境づくり
協力隊が気持ちよく活動しやすい環境づくりを目指します。活動経費の有効活用や研修機会などを設けたり、活動効率をあげる業務管理ツール「kintone」も導入しています。

・「ん」?! もう卒業? だんにゃーで! 準備は万端
協力隊の卒業後に地域で活躍できるようにサポートします。例えば、起業のための事業計画づくりのサポートや協力隊起業補助金に市独自で上乗せしてサポートしたり、金融機関と連携した研修などを用意しています。

・「ぐ」っとくる出会いのために、わいらぁの日々進化
幸せなマッチングを心がけた結果が、豊岡市の高い定着率につながっていると感じています。これからもより良いマッチングのあり方について考え、改善を続けていきます。

◆12/6(金)採用ご担当者様向け オンラインセミナー概要

「地域おこし協力隊の幸せな採用 10の心得」の発表を記念して、地域おこし協力隊の採用担当者向けオンラインセミナーを開催します。
豊岡市とカヤック(SMOUT)の担当者、監修の田口太郎教授が集結して、地域おこし協力隊の採用成功のポイントを語る貴重な機会です。参加をご希望の方は、下記リンクよりお申し込みください。

タイトル 「地域おこし協力隊 しあわせ採用の作り方を考える。」
日時 2024年12月6日(金)17:00〜
開催方法 オンライン(ウェビナー)
参加費 無料
登壇者 ・愛原 拓郎(兵庫県豊岡市 くらし創造部地域づくり課)
・田口太郎(徳島大学大学院教授/令和6年度 地域おこし協力隊アドバイザー)
・門脇恵(地域おこし協力隊サポートデスク専門相談員/佐賀県地域おこし協力隊ネットワーク 代表)
・宮部 誠二郎(面白法人カヤック ちいき資本主義事業部「SMOUT」ディレクター)
詳細・お申込 https://help.smout.jp/form-seminar

◆豊岡市の協力隊 新規募集、まもなく開始

12月2日(月)より、豊岡市の新たな地域おこし協力隊募集を開始予定です。
詳細は下記リンクをご覧ください。
https://tonderu-local.com/chiikiokoshi/

◆関係者コメント

豊岡市 地域づくり課 移住定住・若者係 係長 沖中正孝

豊岡市として2014年から協力隊制度を導入してきて10年経過した本年には、累計採用者が100人を超えました。「SMOUT」を通じて多くの素敵な隊員たちと出会うことができ、ありがたいことに任期終了後も豊岡で活き活きと暮らし、地域で活躍している方も多く「これぞ地域おこし!!」と感じることが多々あります。こうした良い流れを次の10年も継続していくため、カヤックや田口先生の知見をお借りして「地域おこし協力隊の幸せな採用 10の心得」を作成しました。
これは、応募を検討される方に受け入れる側の意識や姿勢を感じてもらう、ということのみならず、受け入れる側が募集プロジェクトをつくる過程で確認すべきことを関係者で共有し、隊員を受け入れるうえでの共通認識をしっかり持つ、といったことをねらいとしています。この「10の心得」をしっかり守り、今後も積極的に地域おこし協力隊の採用に励み、この制度のコンセプトである「三方よし(協力隊員、地域、自治体)」を実現していきたいと考えています。

面白法人カヤック ちいき資本主義事業部「SMOUT」ディレクター 宮部誠二郎

協力隊のミスマッチに関する悲しいニュースを目にするなか、マッチングを多く提供する「SMOUT」と多くの採用実績がある豊岡市で、採用担当者のための心得を作れないかと考えました。なぜ、豊岡市が定着率の高い協力隊を多く輩出できているのか。そこに、ミスマッチを防ぐヒントがあるのではと考え、一緒に採用方法や受け入れ方法などを分解し整理しました。徳島大学の田口先生にも監修をいただき、豊岡市がこれからも幸せな採用を増やし続けるための心構えも加えて「地域おこし協力隊の幸せな採用 10の心得」が誕生しました。この心得が、豊岡の協力隊を目指す方にとって安心材料となり、また、他の地域の協力隊担当者の採用のヒントになって、幸せな採用が全国に拡がると嬉しいです。

徳島大学大学院教授/令和6年度 地域おこし協力隊アドバイザー 田口太郎

「地域おこし協力隊」が“当たり前”の施策として全国に広がる中で、各地で様々な問題も発生してきました。こうした問題を防ぐためには協力隊施策の企画やマッチングの段階から、丁寧に考え、関係者の認識のすり合わせをしていくことがとても大切です。今回の「10の心得」はその一部かもしれませんが、こうしたことを一つ一つ確認しながら丁寧に協力隊や地域と向き合っていくことが大切だと思います。是非、協力隊を導入している各地域の御担当者におかれましては、今一度自分たちの地域で頑張る協力隊についてこうした項目が丁寧にできているかどうか、ご確認いただければ幸いです。

<参考資料>

◆田口太郎 プロフィール

1976年神奈川県生まれ。徳島大学大学院・教授。小田原市政策総合研究所特定研究員、早稲田大学助手、新潟工科大学建築学科准教授を経て、現職。博士(工学)。「まちづくりの自律化プロセス」をテーマに研究、実践を行う。自身も徳島県の過疎集落に移住し、古民家を改修して地域生活を行っている。協力隊関係の著書に「地域おこし協力隊 10年の挑戦」(農文協2019、共著)、「『地域おこし協力隊』は何をおこしているのか?」(星海社2024、単著)がある。

◆兵庫県豊岡市の紹介

兵庫県豊岡市は、市域の約8割を森林が占め、北は日本海、東は京都府に接し、中央部には母なる川・円山川が悠々と流れています。海岸部は山陰海岸国立公園、山岳部は氷ノ山後山那岐山国定公園に指定され、多彩な四季を織りなす自然環境に恵まれています。平成17年9月には、国指定の特別天然記念物・コウノトリが自然放鳥され、人里で野生復帰を目指す世界的にも例がない壮大な取組みが始まりました。
産業は、農林水産業、観光業などが盛んです。特に観光業では、全国的に有名な城崎温泉をはじめ、西日本屈指の神鍋スキー場、但馬の小京都・出石城下町などを有し、年間の観光客は420万人以上にのぼっています。また、地場産業としては、全国の4大産地の一つであるかばんや出石焼などの生産が行われています。
「豊岡市HP」より

https://www.city.toyooka.lg.jp/shisei/shinoshokai/1004513/1002323.html

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