2024.03.26
第19回株主総会レポート
カヤック第19回目の「定時株主総会」。3月21日、初春の晴れ空の下、日本最古の禅寺 鎌倉・建長寺で開催されました。
70名の株主のみなさまに足をお運びいただき、オンラインでも48名様、令和ギャルによる株主紹介の実況中継で92名様と、計210名のみなさまにご参加いただきました。心より感謝申し上げます。
〜株主総会〜
まず代表の柳澤より開会のご挨拶と第19期の事業報告を申し上げました。
連結業績は、売上高 174.6億円(前年比5.8%増)、営業利益10.2億円(前年比15.2%減)と増収減益となりました。
それから、各ユニット長から報告を申し上げました。
面白プロデュース事業部 事業部長の松田は、うんこミュージアム メルボルン進出などを報告し、1年に3本以上のヒット作を生み出すことを目標にしていることもお伝えしました。
続いて、ゲームエンタメ事業部 事業部長の髙久は、過去最高の売り上げを更新し、ハイパーカジュアルゲーム2023年通期のダウンロード数が3億本超えを達成したことを報告。
eスポーツ事業部 事業部長の多々良は、大会主催者様向けのサービス、Tonamelについて、特にこの2年でトレーディングカードゲーム大会の開催数が10倍と大きく伸びていることを説明。
ここで、同日に発表した、トレーニングカードゲームの取り扱いをTSUTAYAで増やしているカルチュア・エクスペリエンス株式会社とのTSUTAYAでのTonamel導入に関する包括契約について紹介しました。
続いて、ちいき資本主義事業部 事業部長の中島は、収入が安定化してきたサービスSMOUT(スマウト)と、那覇空港に出店したクラフトセレクトショップ「Dear OKINAWA」を紹介。
その他サービス事業部(OC/Other Contents/面白コンテンツ)事業部長の藤川は、英治出版社とのM&A、FC琉球と面白パートナーシップを結んだことをお話しました。
柳澤からも、今後はハイパーカジュアルだけでなくハイブリットカジュアルへの投資やM&Aにも注力し、中長期的に成長していくための投資をしていきたいという意気込みを語りました。
そして恒例の「シェアタイム」。隣の席などの株主様同士でここまでの発表を聞いての考えをシェアしていただく時間です。株主総会に出席した半分ほどの方は総会前のオフィスツアーに参加し、すでに顔見知りとなっていた方もいたそうです。
次に、株主のみなさまからの質疑応答では、あらかじめお送りいただいたご質問、そして会場においでくださった株主のみなさまからの質問に回答させていただきました。
10年後どのような会社を目指しているのか、うんこミュージアムに次ぐ別テーマはないのか、「ぼくらの甲子園!ポケット」の運用について、メタバース、eスポーツの展望、「まちのコイン」、株価についてなど、様々な質問やご意見をいただきました。
〜おまけ株主総会〜
総会終了後は、恒例の「おまけ株主総会」。今年も取締役がひとりずつ「小噺」を披露しました。
社外取締役(監査等委員)の北川徹さんからは、面白法人カヤックのこれからの大きなテーマとなるM&Aについてお話してくださいました。
カヤックのM&Aは多岐にわたっていくと思います。それはMBAの教科書ではあまりよくないこととされている一方で、カヤックのM&AはDX(デジタルトランスフォーメーション)に似ていると思います。デジタルを使って新たな付加価値を見出し、違った意味付けをするということが起こっていますが、カヤックのM&AはおそらくOX(面白トランスフォーメーション)です。カヤックと組むから、今まであった既存のビジネスの付加価値が上がる、面白くなる、ということを実現できればいいなと考えています。
一方で、監査等委員としても、適正法監査や妥当性監査という観点から、M&Aのリスクをなるべく事前に見つけて監査の立場でインプットしていくのも大事だと思っています。また、M&Aをしたあともどうやってカヤックにうまく取り込んでいけるだろうか、つまりPMIも、引き続き頑張っていきたいと思っています。
社外取締役(監査等委員)の高岡美緒さんは、「面白くあること」と「面白くない」こと、つまり「クリエイティビティ」と「ガバナンス」について最近考えていることについて話してくださいました。
クリエイティビティはイノベーションの源泉で、従来の枠を超えて考えたり、想像を超えるようなものを作ったりすることです。このクリエイティビティが面白法人の大きな源泉だと考えています。クリエイティビティが境界線を押し広げるという一方で、ガバナンスはルールや規則、プロセスの枠組みなどを設定することになります。一見、このクリエイティビティとガバナンスは相反するように思えるかもしれませんが、クリエイティビティは自由・伝統的でないことを求めており、ガバナンスは秩序・規律を求めていて、この2つの力のバランスが大事だと考えています。この2つがバランスを取ることによって会社が成長、飛躍すると考えています。
カヤックは面白い人たちが多いです。面白法人が面白くなくなっていかないためにも、いいバランスを常に追求していきたいと思っています。
社外取締役の森川徹治さんは、一社長として経営する立場から「企業価値をどう高めていくか」について考えを語ってくださいました。
“企業価値”は“株価的なもの”で、長期に渡って企業価値を高めていけば、必ず株価に反映されますが、企業価値と株価の間にはラグがあります。
ただ、カヤックに関しては企業価値が一般的に考えられている会社の企業価値の作り方とちょっと違うかもしれないと思いました。株価のベースは、基本的には将来にわたって稼げるキャッシュの総合計ですが、今は“ものづくりで儲ける”から“価値作りで儲ける”という時代に変わっています。しかし価値作りで儲ける海外のモデルと比べると日本は遅れています。
“人が喜んでお金を払ってくれる楽しいこと”をどれだけ作れるかということが、これから重要な価値の源泉になっていきます。ですが、残念ながら今の会計ではそれは計測できません。ゆえに、新たな価値の源泉が“目に見えないもの”で“人が喜んでお金を払ってくれるということ”を認識しながら、丁寧に大きくしていくということができることは、重要なベクトルをもっていると思います。カヤックは今、成長過程で、M&Aという方式をとりながら面白いことをやっていこうという仲間を集めている段階です。時間がかかりますが、将来にわたって面白いことをつくっていこうという力は上がっていっていると感じます。
そして実は今回、別室では面白法人カヤック初の令和ギャルによる株主紹介の実況中継もしていました。YouTubeで生配信した中継には92名の方がご参加くださり、「おまけ株主総会」の最後に、株主様の前にギャルたちが登場!
株主総会、人生初参加の彼女たちながら「私たちも社長になって株主総会開きたいです!」と頼もしい感想を述べてくださったうえで、株主様から質問のあった「うんこミュージアムに次ぐ別テーマは?」に答える形で「ギャルミュージアム」というアイデアを発表してくださいました。これには柳澤は「いいかも」と一言。
彼女たちならではの視点で会場を和ませてくださいました。
〜オフ会〜
「おまけ株主総会」が終わり、建長寺そばのカフェ「点心庵」でオフ会を開催。大勢の株主のみなさまにご参加いただき、面白法人カヤック社員との交流が行われました。
今年は鎌倉の「まちのコイン」クルッポを活用した様々な体験も用意。
新卒1年目の社員も参加し、「2023年新卒がカヤックに入った理由」を新卒に聞くと300クルッポもらえる体験をきっかけに、株主様と新卒1年目の社員の話に花が咲いたよう。
新入社員からも「どんな理由でカヤックの株を買ったのですか?」といった逆質問も飛び出し、新入社員も学びの場になったようでした。ありがとうございます。
また、事業部長と一対一で5分ずつ話すことができるクルッポも盛況でした。
株主総会でいただいた貴重な生のご意見をしっかり受け止め、面白法人グループ一同、世の中を「面白くする」取り組みをひとつでも多くつくれるように、これからも精進してまいります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
(取材・文 渡邊好惠)