2024.12.26
気づけば3年!コミックシーモア×カヤックの愛の軌跡
単発プロモーションにとどまらず、コツコツと長いお付き合いを育んできたコミックシーモアと面白法人カヤック。3年間の実績を振り返りながら、企画やコミュニケーションで気をつけていること、ワンチームと感じる理由、今後の抱負について語ってもらいました。
◆クライアントのやりたいことを、期待以上の形に
ーコミックシーモアは今年20周年を迎えたとのこと、おめでとうございます! 今回、特設サイト「コミックシーモア20周年FESTIVAL」をカヤックが企画制作したそうですが、どのような経緯だったのですか。
中本
コミックシーモアの周年記念特設サイトは今まで内製でやっていましたが、20周年は初めて外部に発注しようという案が出たんです。大抵はどこに発注するか社内で議論する流れになると思うのですが、我々はやはりカヤックさん一択でしたね。まずは「20周年の熱い想いを形にしてくれませんか」とぶつけてみました。
いつものことなのですが、無茶振りしてしまいました(笑)。特設ページをつくりたい、動画もつくりたい、色々なコンテンツもつくりたい、とあれこれお願いしたものを全て制作してもらったんです。我々が話していたこと以外にも提案をいただき、最終的に高品質なクリエイティブを完成させることができました。
松尾
多種多様なコンテンツをつくる中で、何かひとつコンセプトがあった方が統一感が出ると考えて提案したのが、「フェス」という世界観。年代別にピックアップした「コミックヒットリスト」や、タイムテーブル風デザインの目次など、音楽フェスから発想を得てつくりました。フェス会場のように、色々なコンテンツを巡りながら楽しんでもらえるような設計になっています。
中本
「シーモアフェス」、良かったですよね。いっぱい要望があるものの、どんな形にしたらいいのか分からず不安なままカヤックさんに持ち込んだんです。また、社内でも色々な意見があり、現場の目線と上層部の目線も一括りにしなくてはいけなくて。カヤックさんならうまくやってくれるとは思っていたのですが、想像以上にきれいにまとめてもらうことができました。
ー「シーモアフェス」の制作に関して印象に残っていることがあれば教えてください。
中本
「20年のあゆみ」がめちゃめちゃ可愛いです! 20周年の歴史を表すとしたら、会社でどんなことがあったとか、どんなサービスがあったとか、たいてい縦書きの年表みたいなものになりますよね。ところが、横にスクロールしていくスタイルで、フェスの雰囲気を入れ込んだストーリー性のあるページになっていて、「こんな面白味のあるものができあがるなんてすごい!」と驚きました。
会社のみんなが気に入っているので、元のデータをもらって社内に飾ろうと思っています。
坪井
僕は診断コンテンツの「わたしのシーモアSTYLE」が印象に残っています。ユーザーさんの体験履歴・体験価値の可視化は、ずっとやりたいと思って実現できていなかったことでした。シーモアの20年という長い歴史やクーポンの“お得感”は、競合他社に絶対に負けないと自負していましたし、どうしても伝えたいポイントだったんです。
情報の取り扱いや技術的なハードルで頓挫しそうになりながらも、ゲーム感覚で遊べるポップで楽しいコンテンツをつくることができました。
松尾
たくさんのユーザーさんが遊んでくれて、「こんなに長く使っていたんだ」とか「こんなにお得に読めていたんだ」とXに投稿してくれました。シェアだけでなく、自分のひとことを思わず添えたくなるように設計できたと思います。
中本
あと、「20周年 SPECIAL MOVIE」という記念動画を4本つくってもらったのですが、合計再生数が380万回以上になりました。記念動画の制作は初めてだったので、自分たちの想いをうまくカヤックさんに伝えられず、週3回とか4回とかミーティングをして議論させてもらいましたよね。おかげで非常にいいものができたと思います。今までコミックシーモアでつくった動画と比べても、桁違いの再生数になっています。
◆要件定義から一緒に。オタクによるオタクのための企画づくり
ーコミックシーモアとカヤックとのタッグは今回が初めてではなく、3年近いお付き合いなのだとか。そもそもの出会いは?
坪井
きっかけはシカロです。弊社の別の事業部がつくったオタクのためのスケジュールアプリなのですが、カヤックさんが手がけた施策がめちゃくちゃバズったんです。シカロの「推し祭り2021」がX(旧Twitter)の国内・世界のトレンド1位になっていたのが悔しくて羨ましくて、カヤックさんに連絡しました。ジェラシーですね(笑)。
松尾
今日は、今までの施策のキービジュアルを全て出力したパネルを持ってきましたよ。コミックシーモアチームの愛のメモリーです。
ーコミックシーモアさんはブレストに参加されたり、一緒に合宿もしていると聞きましたが......。
坪井
やりたいことをうまく文字や文章にできないんです。言葉でなんとか伝えようとすると、もうブレストになっちゃうというか......。だから、要件定義から一緒にやっているんです。
黒木
毎回、オリエンテーションではなくてまずは一回ブレストさせていただいて、つくるものの狙いやターゲットについてお互い腹落ちさせながら進めています。鎌倉での合宿では、海辺の会議室で一緒に資料をつくりましたよね。
坪井
多分、こんな感じで仕事を受けてくれる人たちっていないんじゃないかな。要件定義がまだ無い案件なんてね。
中本
頼めばどうにかしてくれるって思っています(笑)。
黒木
合ってます、合ってます。もう阿吽の呼吸です。
ー企画する際、心がけているポイントはありますか。
松尾
私自身がコミックシーモアのいちユーザーなので、ユーザー目線をとても大切にしています。
例えば、推し作品を集めて画像化できる「眠らない本屋 夜ふかしシーモア」では、ユーザーさんからのリクエストで、一般作品とは別枠の「BL別館」をつくりました。コミックシーモアは女性ユーザーさんがとても多いので、それは盛り上がって、3日間連続でハッシュタグがトレンド入りしていました。
あとは世界観。今回はレストランにしようとか、青春爆発にしようとか、毎回新しく面白いコンセプトを出すようにしています。
中本
毎回、最初は想像がつかなくて「え?」ってなるんですけれど、結局「ああ、これやわ」と納得するんですよね。
いただいた提案は全部面白くて、全部やりたくなっちゃいます。そこからキャパや予算を考えて、いちばんやりたい企画を選ばせてもらっています。
黒木
松尾さんがマンガ好きとして、自分だったら絶対参加する企画を立てているというのもひとつの強いポイント。競合他社には無い強みや、シーモアならではの作品の多さを活かせるコンテンツを生み出せていると思います。
坪井
コロナ禍で電子コミックが完全にメジャーなエンタメになり、競合が一気に増えました。その中でも、コミックシーモアはディープなオタクの皆さんが支えてくれているサービスなんです。だからこそ、本気のオタクである松尾さん目線の「深い企画とおしゃれな表現の両立」にすごい価値があるんです。そこが差別化になっている。
万人ウケするライトでおしゃれな企画っていうのは、よくありますよね。でも、オタクに刺さるのは奥深い企画。ただ、そこに寄せるとマニアックになっておしゃれじゃなくなってしまう。この課題を上手に解決できるのが、カヤックさんの魅力。それにしても、松尾さんみたいにビジネスに役立つオタクって珍しいですよね(笑)。
◆単なる受発注関係にとどまらない、濃い関係性
ーなぜ、何度も一緒に仕事をしようと思えたのでしょうか。
中本
相互理解やキャッチボールが、すごくうまくできているんです。そこはとてもありがたいですね。
坪井
例えば、「#あなたの青春タイムマシーン」という企画は、僕らが大事にしている想いとリンクしています。今いちばん流行ってるマンガを紹介する企画は多いですけれど、これは過去の埋もれた名作に出会う企画。単なる流行とは違う切り口で、ユーザーさんに良い作品を供給することにはこだわっているんです。
松尾
ご提案した時、世の中では「平成レトロ」がトレンドになっていて、「懐かしいこと」にみんな興味があるんだな、という気づきがきっかけになりました。膨大な過去の作品を見られるところも、コミックシーモアさんらしさなんですよね。
坪井
先日、弊社の戦略発表会と業界での売上の公表を初めて行いました。その前に、社長にコミックシーモアは特集やキャンペーンが強みだと説明し、「#あなたの青春タイムマシーン」の話をしたんですよ。弊社のオジさん社長にも刺さって、戦略発表会の時にプレゼンしていましたよ。
ーそれは嬉しいですね。コミックシーモアさんから見て、カヤックはどんな存在なのですか。
坪井
ありきたりな言い方になってしまいますが、パートナーです。別会社の人という感じがしない。ワンチームでやっているというか、僕らはざっくばらんに会話させてもらっているし、カヤックさんもそうだと思うし。
黒木
いわゆる、「発注元と請負先」みたいな雰囲気ではないですね。
松尾
本当に自由に提案させてもらっています。
坪井
遠慮なく話すので、厳しいことも言えます。
中本
カヤックさんには思ったことを何でも話せているので、他社さんとやり取りをする際に、「あ、これは言ったらあかんの?」ってなってしまうことも......。
坪井
もうちょっとオブラートに包まないと、ってね(笑)。良い意味で気を使わないからこそ、面白いものが生まれるのだと思います。
ー今後、チャレンジしてみたいことがあれば教えてください。
中本
私はまた動画をつくりたいですね。今回は20周年というきっかけでしたけれど、まだまだ面白いアイディアをお持ちだと思っていて。カヤックさんの力を存分に活かしてみたいなと。
松尾
ショートドラマとか制作してみたいですね!
坪井
まだチャレンジしたことがないと言えば、カヤックさんとのリアルイベント。機会があればぜひやってみたいです。
僕らは電子書店なので基本は画面を通じてのコミュニケーションなのですが、もともとリアルイベントを重視しているんですよ。今までに年に数回はイベントを開催してきましたが、ちょっとワンパターン化してきたところでもあるんです。カヤックさんのアイデア力や、ITの技術力をお借りして、今まで見たこともないようなイベントができたら、と期待しています。そういったことも、競合他社との差別化としてやっていきたいので。
黒木
ちょうど私たちもそんな話をしていました! 20周年のコンテンツを制作する中で、ユーザーさん同士のコミュニケーションについて新しく発見することも多かったんです。
これからもぜひよろしくお願いいたします!
▼実績年表▼
2021年/電子コミック大賞施策【BL探してます診断】
2021年/【みんなでつくる!聖地巡礼の旅】
2022年/【異世界転生恋愛マッチング】
2022~2023年/年間施策
【やっぱりシーモア プロジェクトサイト】
【やっぱりシーモア プロジェクト第一弾:ときめきカラー診断】
【やっぱりシーモア プロジェクト第二弾:魅惑の飯テロ診断】
【やっぱりシーモア プロジェクト第三弾:あなたの青春タイムマシーン】
2023年/19周年コンテンツ
【眠らない本屋 夜ふかしシーモア】
【眠らない本屋 夜ふかしシーモアBL別館】
2024年/20周年コンテンツ
【20周年特設サイトシーモア20th FESTIVAL】
【20周年特設コンテンツ わたしのシーモアstyle】
【20周年記念スペシャルムービー】
2024年/オウンドメディア施策
【コミックシーモアYouTubeチャンネルサイト『シーモアちゃんねる』】
【コミックシーモアYouTubeチャンネル番組『ぼる塾の夜ふかしトーク』】
(取材・文 二木薫)