2016.03.03
#クリエイターズインタビュー No.46剣を振ってキャラクターたちと一緒に闘う衝撃の体験「乖離性ミリオンアーサーVRデモ」を開発!
カヤックで、スクウェア・エニックスさまの人気スマートフォンゲーム「乖離性ミリオンアーサー」VRコンテンツ開発のお手伝いをしました。
「乖離性ミリオンアーサー」といえば1,300万DL超のヒットタイトル。主人公は4人の「アーサー」たち。プレイヤーは自分が操作するアーサーを選び仲間の騎士たちと物語を繰り広げるRPGです。様々な絵師による魅力溢れる騎士たちの登場や戦略性溢れるバトルが特徴のゲームです。
さて、今回はそんな「乖離性ミリオンアーサー」のリアルイベント「御祭性ミリオンアーサー」でのVR展示。全国から選ばれし2,000名のファンの皆さまに、ミリオンアーサーの世界に入ってもらえるようなコンテンツ作りのため、スクウェア・エニックスさまと共同で開発しました。
VRといえばなんといっても、まるでそこにいるかのような体験ができます。言葉では伝わらないかもしれませんが、本当に「あちらの世界にいってしまった」感じがするんです。ゲームとの相性はぴったりです。だって、あのキャラクターたちが目の前にいるんですよ?
さっそくどんな感じだったのか体験の様子を紹介しましょう。今回はHTCさんが4月に発売するHTC Viveの最新の開発機「Vive Pre」を使用しました。
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手にはゲームコントローラー……ではなく棒のようなコントローラーを持ちます。これで、VRの中でも現実と同じように手を動かすことができるんです!
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今回の体験は、乖離性ミリオンアーサーのゲームそのものをVRで体験。まさに等身大の自分があの世界にいってみようというもの。わずか10分くらいの体験ですが、VRならではのド迫力3Dボスバトルが体験できます。
4人のアーサーの中から、自分のなりたいアーサーを選ぶと、準備画面ならぬ準備空間が広がります。周りにいるのは仲間のアーサーたち。目の前にいるキャラクター、妖精”ウアサハ”がこちらに向かって話しかけてきます。この時点でもうテンションが上がること間違いなし!だって、目の前にキャラクターたちがいるんですよ!
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差し出されるお馴染みの剣に手を伸ばして掴むとボス戦へワープ!キマイラが登場!
戦闘シーンはスマホゲームと同じ。自分のターンになったらカードにタッチして選択すると次々と味方が攻撃をしてくれます。
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目の前にいるキャラクターたちの後ろ姿に見とれてしまうこともしばしば。
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敵は姿形も攻撃も迫力満点。攻撃されると思わず身を縮めてしまうほどです。
最後にボスを撃退したらハイタッチ。この演出は手を動かせるVRならでは。キャラクターとハイタッチして悦びをわかちあう瞬間…ついつい心が通じあっているような気持ちになります。
カヤックではこれまでも、「シドニアの騎士 継衛発信体験装置」や、「GUZZILLA VR」など大型のロボットに乗るもの、坂本龍馬と就活面接をする「DODA 未来の面接プロジェクトプロジェクト VR面接」などかな~り濃いVRコンテンツの制作を手がけてきました。
今回、「乖離性ミリオンアーサーVRデモ」の制作に携わられたスクウェア・エニックスの加島直弥さんとカヤックVR部の原真人、畑佐雄大にVRコンテンツ制作の裏側を聞きました。
― とにかく、ゲームの中にいるという感覚がものすごく強い体験でした!お客さんの反応はどうでしたか?
- 加島
- すごく感動してくださってる方もいましたね。今回のお客さまはほとんどがVRをやったことのない方たちでしたが、皆さん「すごい」と。
― 言葉が「すごい」以外に見つからなくなるんですよね。もともとどんなところから企画が始まったのでしょうか。
- 加島
- 僕がミリオンアーサーの部署に所属しているので、乖離性ミリオンアーサーのリソースを使って、試しにゲームをそのままVRにしてみたのが最初の試みでした。2015年の7,8月頃ですね。その頃、ちょうどオフラインイベントをやるという話があったので、そこにVR体験を出してみようと。
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― そこでカヤックに依頼されたのですね。
- 加島
- 外のパートナーさんを探したときにVRをつくれるところはどこだろうと探し、制作実績のあったカヤックさんに企画を持って行きました。
― カヤックで原さんはこれまで色々とVRコンテンツを作ってきましたが、スクエニさんから企画の話があったときどうでしたか。
- 原
- 面白いし、やりがいもありそうだと思いました。ミリオンアーサーは本格的なスマホゲームですし、今回そのVR移植に携わらせていただき嬉しかったですね。昨年9,10月頃から仕様を固めていき、企画のキャッチボールをかなり綿密にやりました。
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- 加島
- そうですね。実装は11月頃からでした。カヤックさんはとにかくVRの知見をお持ちなので、色々とアドバイスをいただきながら進めていきました。
- 畑佐
- 移植ということで今ある素材をうまく引用できるところはそうしようと思ったのですが、結果的にはボスとキャラクターのボディの部分以外は、ほとんどVR用に新たに作りましたね。
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― やっぱりVRのコンテンツ開発は大変ですか?
- 加島
- 背景もそうですけど、VRだと目の前に色々な物が見えてしまいますし、不自然なグラフィックや挙動があると一気にその場にいる感覚がなくなってしまいます。VRの最大の特長である没入感をとにかく大事にしました。
- 畑佐
- 戦闘前のシーンで、目の前に鏡が置かれているので、そこに自分の姿が映ると「あのアーサーになっている!」というのが分かるようにしたり。
― VRコンテンツの開発を着々と進めていますが。カヤックでは、最初は原さんが一人で始めたんですよね?
- 原
- そうですね。2013年のOculus Rift DK1の頃から魔女の箒にのる「リトル・ウィッチ・パイ・デリバリー」を開発してました。最近では6人位のチームになっています。
- 畑佐
- 徐々に社内的な認知も上がってきて、半年前に比べてもだいぶレベルが上がってきました。
― 今後もVRコンテンツの開発に力を入れていきたいですか?
- 原
- 今回、スクエニさまと一緒に開発をさせていただいて、本格的なゲームの移植にしっかりと取り組むことができました。VRのコンテンツはちゃんと遊べるものに価値があると感じています。今後は本格的なゲームに近いコンテンツも作っていきたいですね。
- 畑佐
- 最初はマルチプレイにしようとしていたんです。4人パーティ全員に中身が入っているような……。今後はそういう複数人で楽しめるものも作っていきたいですね。スクエニさんに助けていただいた面も多いです。
- VRは工数的にもかなりボリュームがありますが、引き続き知見を活かして新しいVR体験を世の中に送り出していきたいですね。
カヤックでは今回のVRコンテンツのように、Web・アプリにとどまらない制作物も複数手がけています。
バックナンバー#クリエイターズインタビュー
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