拝啓 株式会社ガルチのみなさまへ~カヤック的事業提携の考え方~ | 面白法人カヤック

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2016.02.16

#面白法人カヤック社長日記 No.5
拝啓 株式会社ガルチのみなさまへ~カヤック的事業提携の考え方~

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2月18日付で、株式会社ガルチさんが面白法人カヤックの仲間となる予定です。

今回社長日記はそのニュースを受け、社員の皆さんに向けて、僕が発信したメッセージの原稿の元になったものを紹介します(実際口頭で話したのは、この3倍余談あり)。


ガルチの皆さん。
はじめましての皆さま、はじめまして。面白法人カヤックの柳澤です。
この度、ガルチの皆さんと面白法人カヤックが仲間となることができました。本当にありがとうございます。ただ、突然の話だと思われる方もいらっしゃるかと思うので、自己紹介がてらお話をさせてください。

今回の資本提携の経緯

以前から、ガルチさんと面白法人カヤックで何度かお仕事をさせていただいているのは皆さんご存じかと思います。共同で良いものをつくっていくパートナーとして、僕らはガルチさんのことをとても信頼しています。

特にコンシューマーゲームをつくってきたガルチさんと、ソーシャルゲームをつくっているカヤックとのタッグは、必ずやお互いにない強みを持ち寄れるとの思いから、今回のような経緯に至りました。

今後、一緒にワクワクするようなゲームをつくっていければと考えています。このあたりの経緯は茶谷社長からもきっとお聞き及びなのではと思いますが、仲間として一緒になることで描ける未来についても、カヤックの藤原&貝畑からもお話しさせていただいた通りです。

カヤックのM&Aに対する考え方

昨今、ゲーム1タイトルあたりの開発費、マーケティング費用がかなり大規模になってきています。しっかりと良いゲームをつくり企業としても成長していくためには、各社さまざまな工夫をしなければならない状況に来ています。

そんな中で、より強みを打ちだしていくため、ゲーム会社同士のM&Aは今後も増えていくのだろうと思います。面白法人カヤックも全体の方針として、ゲーム業界に限らず、良いご縁があれば、M&Aを行っていきたいと思っていますが、M&Aにあたって重視していきたいことがいくつかあります。

その1つは、カヤックが大切にしている「何をするかよりも誰とするか」というキーワードです。

確かに企業というものは、人が生み出した人工物です。だからこそ売ったり買ったりできるということにルール上はなっています。しかし、人工的なものの中にいるのは生身の人間ですし、そんなにドライなものではないと思うのです。

だから僕らがM&Aをする時、一番こだわりたいのは一緒になる仲間です。お互いに尊敬して成長し合えるかどうか。お互いの経営陣同士で徹底的に相性を確かめ合い、現場同士でどんなシナジーがあるか考えてみる。そういうことを最も大切にしたいと思っています。

ガルチさんであれば、何度も現場では一緒に仕事させていただいていますし、何より代表の茶谷さんと、カヤックのソーシャルゲーム事業部代表である貝畑との信頼関係もとても熱いものがあると思っています。お互いに成長しあえる仲間として一緒にやれることが楽しみです。

上場企業としてのルール

今回の経緯で、数字上の規定としては上場企業の子会社ということになりましたので、何か窮屈になるのではないか、ルールが変わるのではないか、そういった部分で不安に思われている方もいるのではないかと思います。どうしたって人間は本能的に変化を恐れるので、自然なことです。

確かに、未上場会社のルールと上場企業のルールは異なります。

第三者である株主の皆さまからお金を投資していただいている以上、様々なルールが必要になります。それに伴い、おそらく今後変えていかなければならない社内ルールもあるだろうと思います。そのせいで少し窮屈に感じる人がいるかもしれませんし、一方で、逆に働きやすくなったと感じる方もいるだろうと思います。カヤックにおいても上場会社として変わっていく過程でその両方がありました。どちらも一長一短あるのだろうと思います。

ですが、世の中に価値あるものをしっかりと提供し、会社を真っ当に大きく成長させていこうということであれば、多くのステークホルダーにとって、上場企業のルールというのは本質的に正しいルールだと思います。そこに則って、一緒に良い会社をつくっていければと思います。今回茶谷社長もそのように覚悟を決めて、カヤックの仲間になっていただきました。

ちなみに、どうしてそのルールが必要なのかという話を理解するかしないかで、ルールに対する取り組む意識や受け止め方も変わってきますので、もし疑問に思うようなことがあれば気兼ねなく何でも直接聞いてください。できるだけわかりやすくお答えします。僕らもルールを見直す良いきっかけになるかもしれません。

面白法人の理念について

最後に、カヤックという会社は理念や文化を大切にしています。

面白法人という言葉、自分で面白いという人が面白くないのも世の中の法則です。ですが、カヤック創業当時24歳の若輩ものがなんとなくつけた言葉です。少しご勘弁を。

ただ、この面白法人という言葉には、社員が面白がって働いている組織にしよう。そして世の中からも面白いといわれる存在になり、世の中に人生を面白がる人を少しでも増やそうそういう思いを込めました。

そんな風にどうやったらなれるのか?それをより具体的な戦略が見えてくるところまで落とし込んだのが、経営理念である「つくる人を増やす」という言葉です。

「つくる人」というキーワードから想像できるように、カヤックはクリエイターが90%の会社です、ものづくりに対して真剣な人間を集めた集団です。そのように大切にしている価値観が一緒である仲間と働くことができれば、きっと楽しく働けるのではないのでしょうか。

仮につくっているものの世界観が気に入らない、趣味が違うということはあったとしても、そこは多様性を持つ組織でありたいですし、更にはカヤックでは辞めた人も含めて一緒に仕事をしていけるような生態系になれば、と考えています。ガルチさんともクリエイターとして共に成長していきたいと思います。

そして、この「つくる人」というキーワードには「組織をつくる人」という意味も込められています。僕ら1人1人が、会社をつくる人になれば、その会社にいることが楽しめるようになる、これ本当です。

僕も数年前から地域の活動をボランティアではじめましたが、地域の活動を通して住んでいる地域をよりよくしようという意識になった時に初めて、地域をつくる側の人間になり、その街をより好きになり人生が2倍楽しくなりました。

だから新しく仲間になったメンバーが、すぐにこの組織をつくる人側になるにはどうしたらいいか、そこを一生懸命工夫する組織が面白法人です。皆さんもガルチとカヤックを一緒につくる人になって面白がってもらえばと思います。

ちなみに「つくる人を増やす」。実はこれ、何も社員にだけの話じゃないのです。例えばつくっているゲームもそうです。どうやってユーザーと一緒につくるかこれを考えていけば、ユーザーとももっと良い関係が築ける。これはまだまだ僕らも、やりきってないのですが、そのように事業上の戦略にもなる理念なのだと考えています。

そしてもう1つだけ、理念について補足させてください。

つくる側の人間になるために、いろいろ工夫をしてきたカヤックにおいて、中でも一番重要なトレーニングを紹介します。

それが「ブレインストーミング」です。ブレインストーミングは、1人ではなく仲間でアイデアを出す手法の1つです。確かに1人で考えてもいいアイデアは出ますし、僕もそれはそれで得意ですが、一方、自分ひとりでアイデアを出していると意外と同じアイデアに固執してしまいます。いい企画を思いついたぞと思って調べてみると10年前にまったく同じ企画書があったなんてことがよくある。

であれば、自分ひとりじゃなく、人の意見に乗っかったり、自分の意見をヒントに、他人にブラッシュアップしてもらったりすると、自分ひとりでは辿りつけないような思ってもみないアイデアが生まれます。仲間にこだわるカヤックとして、このブレインストーミングはぴったりな手法です。

そして蛇足ではありますが、ブレインストーミングのルールで一番重要なことは、とにかく多くのアイデアを出すということです。よく否定しないというルールが大事だと思われていますが、そちらは大して重要ではありません。否定すると数が出なくなるのでやめようといっているだけで、十分に信頼しあっている仲間なら、多少の否定やツッコミも全然問題ありません。

大事なのは数を出すということなのです。とにかく数を多く出すということを目的に会議をしていると、そのほとんどが意味のないアイデアになります。99%意味がないといっても過言じゃありません。ですが、その数を出す過程では、脳がトレーニングされ、アイデア脳になるのです。

何か問題が起きた時、嫌なことが起きた時、どうやったら解決しようかという風に、自然にアイデアが出てしまう脳に変わるのです。これを言い換えると、「つくる人の脳になる」とも言えます。

いけない。この手の話は、長く果てしなくなりそうなので、このへんにしておきます。

まとめますと、せっかくなので興味のある方だけでよいので、どこかの機会で一緒にカヤックとガルチのゲーム事業をどうやってより成長させていくか、自分がつくる側の人間になるためにも、皆でブレストできればと思っています。僕も参加します。

以上、面白法人の自己紹介がてらご挨拶させていただきました。
今後とも末永くよろしくお願いいたします。

当日記の無断転載は禁じられておりません。大歓迎です。(転載元URLの明記をお願いいたします。)

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