確率論者と流れ論者のどちらが強いのか(麻雀理論に基づき) | 面白法人カヤック

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2024.08.19

#面白法人カヤック社長日記 No.135
確率論者と流れ論者のどちらが強いのか(麻雀理論に基づき)

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今回は社長日記で麻雀のことについて書いてみたいと思います。
この社長日記で麻雀のことについてとりあげるのは、2回目でしょうか。

以前の社長日記
「麻雀と経営について書けと言われたのでなんとか書いてみました」
社長が麻雀好きな効果もあってか、カヤック社内には多くの部活動(サークル)がありますが、中でも麻雀部が最近盛り上がっているようです。昨年末、その部活主催の大会に僕も呼ばれて参加してきました。

その時のニュースがこちら
「麻雀好きの社員が社長に対戦を挑む会を開催してみた」

結果は、ぶっちぎりで優勝だったのですが、「麻雀がどうやったら勝てるようになるのですか?」と聞かれました。

以前の社長日記では、そもそも麻雀には強いとうまいがある、という話をしました。今回も結局、その話に近い内容とも言えるのですが、でも、ちょっと切り口を変えてさらに深く答えてみたいと思います。

では、上記の質問「どうやったら勝てるようになるか」について。

麻雀で勝てるようになるには3つの力が必要で、これらを鍛える必要があります。

1:技術力

1つは技術力です。すべてのゲームや競技といったものには当たり前ですが、ルールがあります。そのルールをまず熟知すること。そして、プレイするうえで必要な知識、セオリー、型、技を習得する必要があります。こういったものを総称して技術力とします。
特に麻雀は和了(アガリ)に向かっていく上での牌効率や最適な手順を導き出すということ、捨て牌から相手の手を読んだり、自分が上がれる可能性を計算したり。自分の手の大きさと相手の手の大きさを比較しながら、リスクとリターンがあっているか(オッズが見合っているか)の投資効率を考えながら打つため、確率的な視点が重要になってきます。最近流行っているポーカーゲーム(テキサスホールデム)ほど、確率の計算式や厳密な%数字を覚える必要はありませんが、このケースではこうなる可能性が高い、低いということを理解するために、基本的な技術力は強くなるための必須条件です。これは実践しているだけでは身につかないので、座学で本を読んだりして鍛える必要があります。実践をして本を読んで、また実践に戻る。その繰り返しです。また技術を身に着けていく上で一番早いのは、上級者の打ち方を後ろでみることです。これほど勉強になることはありません。

2:目で見えないものを感じる力

2つ目に鍛えるべきポイントがこちらです。長い目で見れば、上記の技術力の高い人と低い人が戦うと当然、技術力の高い人が勝ちます。確率の高い方、低い方、長くやり続ければ当然高い方を選んでいる人が勝ちます。ただ、どれだけ高い技術を習得しても、短期決戦においては勝ったり負けたりがあります。確率はあくまで確率でしかなく、それを超えた奇跡が起きることが多々あります。奇跡を起こす、あるいは奇跡を読み取る能力を身に着ける必要があります。
麻雀の場合は戦う相手は人間です。眼の前にある捨て牌だけをみて相手の手を予測するわけではありません。その人の表情、動き、雰囲気すべてをみて、様々なことを予測していきます。ちなみに、伝説の雀士、桜井章一先生は、耳で見ろ、とおっしゃります。耳から入ってくる情報に相手の状況が読み取れるものがあるということです。つまり目だけではなくすべての五感を投入して、予測をしていくというわけです。
もちろん、ここの嗅覚を身に着けることは、これはそんなに簡単ではありません。むしろどうやって身につけるの?と言われてしまいそうですが、身につけ方までは確かな方法は伝えられません。ただ、1つ言えることは、この目で見えないものを感じ取ろうとする能力を、そもそも磨こうとしているのか?、していないのか?に雲泥の違いがあると言っておきます。
麻雀を単なる確率ゲームだと思っていては、勝ち続ける人にはなれません。うまくはなれるけど強くはなれない。
これは、前回の社長日記でも書きましたが、セオリーを知っていればうまい打ち手にはなれますが、強い打ち手にはなれないという話と一緒です。

よく麻雀には「勝負の流れ」があると信じている人と信じてない人がいるという話があります。ちなみに、勝負には流れがあると信じている人を「流れ論者」といいます。
これも言い換えると流れ論者は、目で見えないものを信じていて、流れを信じない人は確率しか考えてない人と言い換えられるかもしれません。こう考えてみると、流れ論者の方が、「流れ」というそもそも目で見えないものを必死に見ようとしている分、五感が磨かれるので、結果、強くなれると言い切っていいと思います。

3:自分のメンタルを俯瞰し、コントロールできる力

最後の鍛えるべき要素がこちらです。
当たり前ですが、勝負の結果は、自分のメンタルに比例します。これは勝負事にすべて共通するかもしれません。自分が勝てると信じている人は、勝てる。これも前回の社長日記の中でいう、強いか、うまいか、でいったら、強い人のはなしです。強い人は、多少確率が低くても自分がツモれると信じている。そういう人のことを指します。一見すると思い込みが強かったりポジティブな人の方が有利に聞こえそうですが、そういう単純な話でもありません。

人は自分がイメージしてないことを現実化するのは難しい。だから勝てるイメージを持つということが重要なのです。そういう意味では、なんだかんだポジティブな人や、ただただ自信がある人は勝てるイメージをもちやすいのはその通りですが、そういう人でも、勝てるイメージをもてなくなる時があります。その1つが、自分がミスをしたときです。麻雀は毎局毎局の積み重ねです。繰り返し、繰り返し、プレイしていくなかで、ミスを1回もしないなんてことはまずありえません。そのミスに気づかないほどの実力ならさておき、うまくなるにつれ自分のミスにも気づけるようになります。そして大抵の人はミスに気づくと、気持ちが負けてしまいます。結果、相手に負けてしまうのです。

麻雀上級者が、よく麻雀はいかにミスをしないかを競うゲームだと言いますが、ミスそのものが悪いという考え方以上に、ミスそのものが自分の気持ちを弱くするということとも言い換えられるのです。

不思議なほど自分のメンタル状況と、勝敗には相関関係があります。そのように考えるとミスをしてもすぐに忘れる、忘却力のようなものを身につけることがいいのかなと人は考えます。もちろんそれも大事です。深呼吸をしたり、少しやり方を替えてみたり、気持ちを切り替えるという作業です。その人なりのメンタルをリセットする方法を工夫してみるというのは大事です。それがメンタルをコントロールするということです。そこを磨いていくということも強くなるための重要な1つ。

そして、それ以上に大事なことがあります。それは、そもそも今自分がどういうメンタルにいるかを俯瞰して見るということです。
自分がミスをしてしまったばかりの時に、無理に攻めるという行動がすでに二重のミス犯しています。自分のメンタルの状況をみて打ち方を変えていく必要がある。イケイケのときはとことんいってよい。でもミスったときは少し我慢する必要がある。つまり勝負とは相手と戦っているようで自分と戦っているとも言える。

そして、逆にいうなら、対戦相手が絶好調のときは、無理に戦いを挑まない方がいい。そんなときは相手がミスをするのをじっと待つ。相手がミスをし、さらにミスをしたと相手が認識したと感じたときは、一転して攻撃に移るチャンスです。そのチャンスをじっと待って伺うしかない。

好調な時はできるだけミスをしないように万全の注意をはらい、相手に付けいる隙をみせない。ミスったら無理をせず、相手の流れであれば相手のミスを待つ。

このあたりの押し引きを、1の技術力と2の目でみえないものを感じるながら、自分のマインドを俯瞰して、打てるようになれば、勝てるようになる。
つまり、うまくて、強い人になれる。ということなのだろうと思います。

と、社内の麻雀大会で優勝したからこんなに偉そうに書いてみましたが、それであっさりビリなんてこともありますから。それが勝負の世界であるとも言えます。

これからまだ引き続き何十年か麻雀活動もしていくと思いますので、またさらなる考察が産まれたら書いてみたいと思います。

今回は以上です。

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