コーポレートサイトの賞味期限は、何年なのか? | 面白法人カヤック

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2016.07.07

#面白法人カヤック社長日記 No.12
コーポレートサイトの賞味期限は、何年なのか?

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この度、ちょうど3年ぶりにカヤックのコーポレートサイトをリニューアルさせていただきました。

以前、「コーポレートサイトの賞味期限は、何年なのか」という記事を寄稿したことがありましたが、その時は2年と書きました。2年も経つと、サイト自体の表現が古くなってしまうからです。そのぐらいインターネットの進歩というのは早く、それぐらいのペースでまた新しいデザイン、新しい技術をつかって作り直したほうがよいともいえたからです。特にベンチャーは2年も経てば会社自体もかなり変化するので、発信するべき内容も当然進化していきます。

ちなみに、表現という視点でここ数年をみていくと、PCで見ることを前提としたサイトの表現はそこまでの変化はないものの、一方でスマートフォンの普及が一気に進み、スマホサイトのアクセスが増え、そういった部分での対応が求められるようにはなってきたというところでしょうか。ただ、スマホでのサイト閲覧という観点からいくと、物理的に表示領域も狭く、回線もPCで見るよりは遅いケースが多いでしょうから、表現的には大胆なことができず、差別化はしづらいという状況でもあり、おそらく10年ぐらいのスパンでみると今は、過渡期のタイミングだとは思います。

そんな中、我々のような最先端の技術やクリエイティブに取り組まなければいけない会社としては、リニューアルも(本当は2年ぐらいでするのがよいのでしょうけども、)投資対効果という意味では、カヤックのコーポレートサイトはページ数が結構なボリュームなのでそれでも投資過多といえます。この規模になると制作陣も10人以上かけて、数か月で・・・という状況だからです。

そんなわけで、2年のリニューアルは見送って、3年ぶりのリニューアルとなりました。

……と書きましたが。これは半分本当で半分ウソです。

実は昨年リニューアルしようかなと思って、リニューアルプランを考えたのですが、いいコンセプトが思いつかなかったという事情もあります。せっかくリニューアルするからには何らかの部分で以前よりも進化する必要がある。ただ、昨年時点でいろいろ考えた時、従来のサイトも十分最先端であったし、スマホ対応は改善余地があったものの、どうにも、より進化させるリニューアルコンセプトが思いつかない、イメージがわかない。ということで、あきらめざるを得ませんでした。

そんな中で、今年の頭に、さすがに3年目だからリニューアルしないとまずいという吐きそうなぐらいのプレッシャーの中、1月下旬ごろですかね、朝起きた時に、思いついたのです。

「複数の世界観をもったサイトにしよう」と。

世界観を複数もつために、サイトのデザインを切り替えられる、ということになったわけですが、この手法そのものは、以前にも他社さんのサイトで挑戦した記憶があるし、これがものすごく新しいコンセプトかというとそうではありません。

ただ、過去何度もリニューアルしてきている経験を思い出すと、特に表面上のデザインという部分にフォーカスして考えてみると、思いっきり漫画的表現にしたサイトにしたときはそういう表現が好きなクリエイターが集まってくるし、クールなデザインにしてきたとき(そういう時代もありました)、そのときはしゅっとしたデザインが好きなクリエイターが集まってくる。コーポレートサイトは会社のまさに顔なので、それによって来る人のタイプが変わってしまうのです。

ただ、現在のカヤックは、漫画的なデザインの広告の仕事もあれば、クールでかっこいい広告の仕事もあれば、ばりばりゲームをつくっていたりもする。一方でアプリなんかはUIにこだわった仕事もある。そういういろんな顔をもつカヤックをしっかりと伝えきるということはまだまだ、サイトとして進化の余地がある。なぜなら、多様性を担保することが、カヤックが面白法人であり続けるためのキーワードだからです。面白さとはオリジナリティを追求することであり、オリジナリティとは、他者の領域を侵さないという共生の思想でもあるからです。余談ですが、この多様性を担保するために、ルールを(可能なかぎり)決めないことを、カヤックという組織運営の肝にしており、人事の柴田に半分愚痴のような寄稿をされながらも、継続してきた方針です。
話を戻すと、このチャレンジが今回のリニューアルのポイントとなりました。

ただこのチャレンジは非常に難しいことでもありました。なぜなら上記のようにカヤックのサイトは非常にボリュームがあるので、5つの世界観で用意するということは、気をつけないと5つサイトをつくるということになってしまうからです。5つとも全く違うレイアウトなどにするなど、がらっと変えれば、全部違った世界観になりますが、それではコストが5倍になってしまう。共通化するところは共通化しないと効率が悪すぎる、そういった意味で、どの部分を変えて、どこを共通化するか、そのさじ加減が難しかった。一方、この10年間でwebサイトの技術も進化したので、共通部分をモジュール化できるようにもなりました。それゆえできるようになったチャレンジだとも思っていました。

そんなわけで、ぜひこのサイトを自分の好みの世界観を選択して楽しんでいただければと思います。

普段は経営に専念していますので、現場のメンバーと制作の仕事をするのは本当に久々ですが、久しぶりに現場の仕事ができてました。本当に今の若い人達は優秀ですね。ありがとうございました。

ちなみに、皆で迷ったところは、ヘッダーのメニューでしょうか。5つの世界観ごとの文言や演出、また、動的に情報が変化する項目3つを左側に置き、更新日時がわかるようにしたり、右側に静的なコンテンツをもってきたり、非常にサイトのボリュームが多いのでどのように見せるかが迷ったところです。

また、経営者僕個人として頑張ったことは、経営理念に対する考え方も改めてまとめ直したことです。何度も理念について深く考え、書き直し続けることで思考が進化するのだと実感をしています。

特に

は、あえて3部作として順番に読んでいただきたく、番号をふりました。20年弱近くカヤックが考えたことが、現時点でわかりやすく整理できたのではないかと思っています。ぜひともご一読いただければと思います。

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