2024.02.15
#面白法人カヤック社長日記 No.128引退までにやりたい7つの挑戦【面白法人のこれからの10年 #2】
年初でお伝えしたように、2024年は、僕の今後の10年の決意というものを何回かに渡って書いてみたいと思います。
前回の社長日記では、カヤックのここまでの25年間の歩みを振り返って、成し遂げたことをまとめました。そして、第2回の今回の社長日記では、これからの10年の目標を書いてみたいと思います。内容としては、今まで成し遂げたことを引き続きしつこくやって、追求していくこと。そこに加えて、新たにこれからの10年でやりたいこと。この2つの内容が含まれています。
1:さらなる資本の成長
2:奇妙な事業を生み出す
3:法人としての新しい価値観を示す
4:面白法人ブランドメカニズムの言語化・仕組み化
5:地域資本主義的グループ経営を深めていく
6:後継者に引き継ぐ
7:創業者3人が次のストーリーにワクワクしている
1:さらなる資本の成長
前回の社長日記で、成し遂げたことの中に「資本をしっかり成長させられた」ということを書きました。とはいえ、満足しているかというととてもまだまだです。株主のご期待にも十分に応えられていません。
1つの山を登ったらまた次の山に登るという飽くなき成長への取り組みは、資本主義のメカニズムそのものであり、上場した以上はそこにはしっかりと取り組みたいと思います。それゆえに、これをまず1番の項目にもってきました。実際10年でどのぐらい増やしたいかと聞かれるのであれば、売上利益時価総額とも桁をあげようと思っています。
どのように増やしていくのかについては、IRのこちらの資料を確認いただければと思います。
2:奇妙な事業を生み出す
面白法人という言葉に忠実に取り組んでいくのであれば、チャレンジングな事業を数年の1つや2つは生み出さないとならないのだろうと思っています。ここ数年ではうんこミュージアムがその1つではないかなと思います。まさかUNKOがこのような事業になるとは・・・。UNKOというキーワードを日本の誇るIPとして世界に発信していきたいと考えています。このような奇妙な事業を生み出すのは狙ってできるようなものではないのですが、面白法人としては狙う必要があります。
3:法人としての新しい価値観を示す
こちらも面白法人という言葉に忠実に取り組んでいくうえで、大事な要素の1つです。
前回の社長日記でこの25年で成し遂げたことの中にも「自由でユニークな組織のあり方を模索する」
という項目がありました。引き続き取り組むべき目標です。ただ、カヤックが立ち上げた25年前では、前回の社長日記で書いた、旅する支社も、ティール組織という概念も新しかったのですが、今は普通になりましたので、果たしてどんな取り組みをすることで法人の可能性を広げるのでしょうか。ここも難しいチャレンジですが取り組んでみたいと思っています。
4:面白法人ブランドメカニズムの言語化・仕組み化
前回の社長日記でこの25年で成し遂げたことの中に「面白法人という言葉をしつこく追求した」という項目がありました。その中で、追求し続けた結果、面白法人というブランドをつくるスタートが切れたのではないかと書きました。
ブランドを大切にしていく。これはこれからの10年に限らず、面白法人が存在する限り未来永劫続けることであり、そのためには、上記の「2:奇妙な事業を生み出す」と「3:法人としての新しい価値観を示す」ことをし続けるということでもあります。
ブランドというものは非常に曖昧なものです。実際どのように資産として積み上げていくべきなのか、またどう測っていくべきなのか、そしてビジネスにどう効いてくるものなのか、その全てが曖昧です。ですが、「1:さらなる資本の成長」のためにもこのブランドメカニズムを仕組み化して強めていくことは必須です。
ここをできる限りメカニズムを解明し、言語化し、仕組み化していく。これを10年で取り組んでいきたいと思います。特にここは創業者である僕が感覚で取り組んでいる部分も多いので、しっかりと再現性をもって誰でもできるように解明できれば最高です。
5:地域資本主義的グループ経営を深めていく。
この項目は新たに加わった目標です。
2018年に、拙書「鎌倉資本主義」を出しました。その本の中で、地域資本主義という考え方を提唱しました。この言葉は当時調べた限りなかった言葉で、僕が自身で生み出したときは、面白法人というキーワードを生み出したのと同じインパクトが自分の中ではありました。「面白法人」というキーワードは、「法人」という硬いイメージの言葉に「面白」という緩いキーワードがくっつくことで、意外性をもつ響きとなっています。
「地域資本主義」も、「地域」というローカルを想起するキーワードと、「資本主義」というグローバルまっしぐらなキーワードの、真逆の組み合わせをもって良い響きになっているなと思います。
地域資本主義についての説明は、その著書の中でも、あるいはこの社長日記でも何度か説明してきておりますが、簡単に申し上げると上場企業として資本主義のシンプルなルールにのっとり、ただただ成長して利益を出すということをするだけでは人も地球も幸せにならないので、利益の出し方そのものにこだわろうということであり、それが地域にヒントがあるという発想をもとに考えられています。
これは、面白法人と名付けたカヤックが上場してまで社会に貢献する方法は何なのか?を考えた結果です。この項目は、もう少し次回の社長日記あたりで、深掘りしてみたいと思います。
6:後継者に引き継ぐ
これも新たに加わった項目で、今までの25年間では具体的に手がつけられてなかったものです。ただ、今後の10年間の目標を考えた時、カヤックの創業者3人も60歳になってしまいます。面白法人という会社の性質上、代表が務まるのはその年齢あたりが限界かなとも思います。そのように考えるとこの10年でしっかりとした後継者を見つけ育てて引き継いでいかなければなりません。
ただ、我々のような創業社長にとって、この後継者問題はもっとも難しい問題だなと感じています。昨年の3ヶ月の休暇の間に、この問題に参考になりそうな図書をかたっぱしから読んだのですが、経営学の中でもこのジャンルだけがまだ全然体系化されてない印象です。個別化しすぎています。ファミリー企業の後継者問題の取り組み事例は、比較的とりあげている本があるのですが、特に我々のような創業社長でありながら、親族に継がせる気がないケースは、一番難しそうだなと感じます。
ただ、図書を読んである程度の道筋は見えたので、自分がこのジャンルを体系化するぐらいの意識で取り組みたいと思います。
7:創業者3人が次のストーリーにワクワクしている
この項目、今後の10年間の目標の1つに入れるのはどうかなとも迷いましたが、上記の後継者への引き継ぎが現実的になった時に、これはこれで重要だと思ったので入れました。後任に譲ってスパッと退任するためには、退任後の別の人生にワクワクしている必要があるのではないかと思うのです。ただ、これは今すぐ考えるというよりは後半の方の目標になるだろうと思います。
ちなみに、「3人の次のストーリー」とここでは書きました。そもそも「何をするかより誰とするか」が重要というキーワードを示すために、3人でカヤックを立ち上げて続けてきましたので、退任も3人同時は理想です。どうせなら退任後もまた3人で別の方法で、カヤックに貢献するもありです。例えば、以前書いた定年部という考え方。そうなるかどうかはわかりませんが。
以上です。
しっかりと今後の10年で、上記の7つの項目をやり遂げることで、しみじみと振り返ってよくやったなぁと自分に言えるようにしたいと思います。
今回の社長日記は以上です。
上記で書いたように、来月、再来月は上記の項目「5:地域資本主義的グループ経営を深めていく」と「6:後継者に引き継ぐ」について深掘りして書いてみたいと思います。
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