2016.12.27
#面白法人カヤック社長日記 No.20今年最も読まれた社長日記は一体どの回だったのか?
さて、今回が2016年最後の面白法人カヤック社長日記です。
社長日記を再開してから無事1年が過ぎました。ありがとうございました。
これまでの社長日記の歴史をあらためて振り返ると、僕が自分の書く文章を公開し始めたのは、今から10年前の2006年。そこから8年間ほど、毎週休まず書き続けました。
最初は日経PCオンライン上での連載でしたが、2009年にはBizCOLLEGEに移行し、最後は日経ビジネスオンラインでの連載に移りました。そうこうしているうちに、2014年末カヤックが上場。そのタイミングで1年間休載宣言。そして上場後1年を経て、2015年12月末に1年ぶりに「面白法人カヤック社長日記」という形で再開。今回は、自社コーポレートサイトでの発信に切り替えて、1年が経過し、現在に至ります。
2006年から8年間連載を続けたことで、「継続は力なり」という言葉の本当のすごさを自分自身体感できました。だからこそ、2014年に1年休むという宣言をすることに、本当のところ、少々恐れを感じていました。
「休んでしまったら、もう続けることはできない肉体になってしまうのではないか・・・。1年後に再開することになっても、一度休んでしまった自分がまた続けることができるのか?・・・しかも、自社サイトでの連載というのは締め切りがないようなもの。そんなプレッシャーのない中で自分に厳しくできるだろうか・・・」
そんな不安もありましたが、月に1~2本を掲載するという目標を立て、この1年を通して無事達成することができました。よかった!パチパチ。
「継続する」という技術を一度自分のモノとして取得していると、たとえ休んだとしても比較的簡単に継続を再開できるということなのかもしれません。
というのが今回の前置きです。今回は、せっかく再開して1年経ちましたので、この1年間の社長日記のうち最も読まれた記事ベスト5を取り上げて、振り返ってみたいと思います。
まぁいってみれば閑話ですね。2016年最後の記事は閑話。お付き合いいただけますと幸いです。
第5位:退職率の高い組織が成長していくために大切な3つのこと (Vol6)
さて、どんな内容だったかな?・・・さっぱり思い出せず、あらためて読んでみました。
なるほど、カヤックという会社が退職についてどう考えているか、そして件名のとおり退職率が高い組織にいて気をつけなければいけないことを独自の視点で書いています。
この記事が上位に入ったことを分析してみますと、退職にまつわる話というのは、もしかしたら意外と皆さんにとって興味深いテーマなのかもしれません。会社に勤めている人は「いつ退職しようかしら」と悩むことがあるでしょうし、経営者の視点からも人が辞めることは常に頭を悩ます問題だからです。
だからこそ、退職にまつわる話や制度といったものは話題になりやすい。面白法人カヤックのサイトで退職者を掲載していることも、ちょっとしたアイデアではありますが、面白いと言っていただけるケースもある。
先日も、何か面白い制度を考えようとブレストした際に、こんなアイデアがでました。
新卒社員が入社時に最初に受ける研修は、「辞表の書き方」。
面白い。入社したばかりなのにいきなり辞表の書き方を教える。そして、その書いた辞表を常に肌身離さず持っておきなさいと教える。
これは、例えるなら、カイジという漫画の中で、命をかけた戦いの中で「負けたら死ぬ」という覚悟を持つために、懐に短刀を忍び込ませるというシーンがあります。そうすることで覚悟ができ強くなる。辞表を常に持ち歩くことも、そんなイメージです。いつでも辞められるということが、今を精一杯働こうという覚悟につながるというわけです。
どうせならその辞表に、未来のなりたい姿を書かせる。単に、「一身上の都合により辞めます」ではなく、「実力がつき独立する力がついたので退職します」みたいに書くことで、そこまでは頑張ろうとなる。うーむ面白い。
こんな風に、退職にまつわる話や制度は、今後も面白いことが考えられるんだろうと思いました。ちなみに、2016年はこの記事のようにカヤック全社で退職率を下げようと取り組んだ成果もあり、2015年にくらべて、4%ほど下げることに改善できました。
第4位:カヤックの経営層に向いていない7つの人物像(Vol1)
随分マニアックな、記事が4位にきました。カヤックの経営層になりたい人が、世の中に果たしてどれだけいるんだろうか・・・という話です。そして、あらためて読み返してみて、いろいろ言ってますが、結局のところ最近つくづく思うのは、経営層であろうと社員であろうとカヤックに向いている人は、ブレストが楽しめる人です。その一言に尽きます。
自分の記事を否定するようですが、7つも条件なんていらないです。世の中をどれだけシンプルにとらえるかの方が重要です。
ちなみに、第5位の記事もこの第4位の記事も、「●●において大切な3つのこと」「●●に向いてない7つの人物像」といったように、よくある表現パターンになっています。その意図は、ノウハウが好きな層が世の中には一定数存在し、この手の表現が、ブックマークされやすいということで、カヤックのコピー部&広報チームが意図的にそういう件名にしてくれているのですが(※ちなみに、僕の日記は僕が自分で書いてますが、件名だけは社内のコピー部と広報部がつけています)、最近思うのは、果たしてこれは本当に効果的なのか?ということです。
個人的な感覚ですが、「スタートアップ企業が陥る5つの○○」とか(※別にスタートアップにじゃなくてもいいんですけども)、とにかくそういった類の件名がついているだけで読む気が失せてしまいます・・・。
それらしいことが書いているであろうことは想像がつくのです。そして、読めばきっと「うんうん」となるのだろうとも思います。
でも、むしろ、気づきがあるような革新的なことは書いていないんだろうなと思ってしまうというか。そういう件名の記事が増えすぎていることによる逆効果もあるのかもしれません。
第3位:新入社員が社長に聞いてみたいこと、と、その回答。(Vol17)
おっと、これが3位ですか。
日記には「とっつきやすいテーマを取り上げました」と記載しましたが、実はもう一つ理由があって、苦し紛れの閑話記事なんです。
「日記のネタがないなあ」とぼやいたところ、広報チームから提案を受け、「面白いのか分からないけれど、チャレンジしてみようか!」ということで実施した回でした。
「次回は、中途社員が社長に聞いてみたいことですかね。いや、意外と中途社員だとあまり引きがないのかな・・・
第2位:「社外取締役という職能の役割と心構え」に対する考察。(Vol16)
これが、堂々の2位ですか!実はこの記事、自分で書き上げたときは、結構いいこと言っているなと自分ながら思いました。というのも僕自身が複数の社外取締役を経験している中で、様々な本を読んできましたが、社外取締役の職能についてしっかりと語られている本に出会えなかったからです。
そんな中で、自分が読んだ本と実体験を通して、本質部分をしっかりとまとめあげることができたという手ごたえがあったので、これは良記事になるだろうと思っていましたが、事前に確認をしてもらった関係者数名のフィードバックは、「社外取締役という職種に興味のある人がそもそもニッチだからな・・・」という反応でした。
ただ、おかげさまで、この記事をきっかけに、社外取締役についてのディスカッションをする機会が増えたり、この記事を読んでくださった方からコンタクトを頂いたりして、この日記に書けなかった新たな視点を持たせていただける機会となりました。
発信することでより自分の視点や視野が広くなっていくということをあらためて体感しました。
第1位:私が独自に発見した、一番ラクな天職の見つけ方。(Vol18)
やはりこの記事が1位でしたか。多くの方にシェアして頂きました。ありがとうございました。
件名は定番のノウハウ系と言えばそうなのですが、想定していた以上に読んでいただいた方々に共感いただけたようです。
実はこの記事に書いてある内容を書く前に、何人かに話したのですが、今一つの反応だったのです。自分では結構良いことに気づいたと思っていましたが、それほどなのかなという感じでして、正直なところ、それほど気合いも入れずに書いた記事でした。
それがこんなにシェアしていただけるとは、やはり出してみないと分からないものですね。
ちなみにこの記事を読んで、自分のキャリア形成に役立ったというお礼をいただいたり、この考え方の社長が良いといって仕事を頂いたりということもありました。
引き続き、「天職」というものを自分の中でも考え続けるテーマにしたいと思っています。
以上が、2016年の面白法人カヤック社長日記の振り返りです。
ちなみに僕は、振り返り、内省(リフレクション)が大好きです。
何か行動を起こした後は、常に立ち止まって振り返りたい。2016年も残りわずかです。皆さんにとって2016年はどんな年でしたでしょうか。
よいお年を。