2024.03.26
#面白法人カヤック社長日記 No.130自分の欲望は他人の欲望の模倣から始まる、という話【面白法人のこれからの10年 #4】
年初でお伝えしたように、2024年は、僕の今後の10年の決意というものを何回かに渡って書いてみたいと思います。
今回は少し話題を元に戻します。第1回に、僕が今後の10年の決意を考えるにあたって昨年3ヶ月の休暇をとった話をしました。
その3ヶ月の休暇を取る前に僕がとった行動についての話をしたいと思います。
実は休暇に入る前に会いに行った2人の方がいます。
1人は、ZOZOTOWNの創業者であるMさん。
もう1人は野人と呼ばれるAさんです。
1人目のMさんは、ZOZOTOWNを創業して、成長させヤフー(現在はソフトバンク傘下)に売却した資本主義社会においてはお手本となるような大成功者です。
一方で、野人と呼ばれるAさんは、僕の知る限りもっとも野人で、野山のあらゆる生物の生態系を熟知し、人間の能力とはここまで原始的に研ぎ澄まされるものかという自給自足の生活をしているような人間です。
まさにこの資本主義社会において両極端といってもよいような人との対話をしたあと休暇に入りました。
なぜ休むにあたってこの2人と話そうかと思ったかというのは、極めて直感的なもので当時は言語化できてませんでしたが、最近読んだ本にヒントがありました。
この本によると人の欲望とは、誰かの欲望を真似て生まれてくるということです。
たとえば、弟がおもちゃで遊んでると兄はそのおもちゃが欲しくなるし、友人がある人を好きになって相談していると相談された人もその人を好きになってしまうことはよくあることえす。
つまり、他人の欲望を人は無意識にコピーしているから欲望がでてくる。ということです。
そう考えると、欲望が渦巻くこの仕組みをうまく利用して社会を発展させているのが資本主義ともいえます。
ただ資本主義が行き過ぎだと言われている所以は、欲望の方向が一方向だからだともいえます。経済的な価値に対する欲望に向かいすぎていることが、資本主義の課題である富の格差や、環境破壊を生み出しています。
そんな中で、僕がMさんとAさんにあったのは、ある意味で、究極の資本主義の成功者であるMさんの成功事例をみて憧れや欲望を膨らませ、一方で原始的で何もない中で自由にたくましく生きていくAさんをみてその生活にも欲望をふくらませる。この両方をとることで、バランスをとるという本能的な試みだったんだろうなと思います。
これは、まさに、地域資本主義の考え方にも少し通じるところがあります。地域資本主義では地域がもつ環境や文化、人と人との繋がりを資本と捉え、増やしていくことを豊かさを指標にしていきます。経済資本(お金)だけではなく、この自分が身を置く環境、人との繋がりに対する欲求を膨らませて、ウェルビーイングな暮らしを実現したいと思う人を増やしていく。そんな社会に貢献する考え方なのではないかと思います。
自分の欲望は他人の欲望の模倣から始まる。
この法則に従い、自分の欲望を膨らませてくれる模倣すべきメンターと呼ばれるような心地よい人を複数、バランスよく見つけて、定期的に会っていく。これが人生を楽しむ秘訣なのではないかと思います。
今回の社長日記は以上です。
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