2019年を振り返って 「死」について 考えてみたこと。 | 面白法人カヤック

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2019.12.27

#面白法人カヤック社長日記 No.65
2019年を振り返って 「死」について 考えてみたこと。

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今年も月1回程度ではありますが無事に社長日記を継続して更新できました。

社長日記を読んでいただいている皆さま、今年もありがとうございました。

今年は皆さまにとってどんな年でしたでしょうか。

僕は、なかなかハードな年でした。そのおかげでかなり多くの気づきがありました。そして、これから先の20年に対して覚悟が決まったような年でもありました。

そして、2019年は、プライベートの様々なシーンで「死」について考えるきっかけの多い年でした。2011年の震災の時もそうでしたが、個人的に考えさせられるきっかけが一度ならず、何度かありました。

そこで、今回の社長日記のテーマは「死」について書いてみたいと思います。

「死」について書いてみて、勇気がいるということがわかりました。これは世代的なものなのか国柄なのかわかりませんが、僕らは日頃「死」について語る機会がありません。だから口にすることそのものがなんだか勇気がいるのです。とはいえ、やってみます。

なぜ人は死ぬのか?
死とは一体何なのか?
死後の世界はあるのか?

「死」について考えるということは「生」について考えることでもあります。
上記の問いは、そのまま生に対しても置き換えることができます。

生きるということはどういうことなのか?
生きている間に、自分はいま何をすべきなのか?

本来「死」と「生」は表裏一体です。ただ、生きることは日常の連続でもあるので、なかなか深く考えられない。だからこそ「死」ぬような体験をしたり、周囲で「死」を身近に感じた時に、初めて、自分が生きていることについて深く考えることになり、その結果、今をよりよく生きることにつながる。

これは、皆さんも納得のいくところではないでしょうか。

僕自身、今年で45歳になりますので、今となっては「喉元過ぎて熱さ忘れて」いるのですが、過去に死ぬかもと思う体験があり、そのおかげで、何が大切なのかを見つめ直すことができました。そして死にそうになっても生かされているということは、自分がこの世に何かすべきことがあって生かされているんだろう。であれば、精いっぱい今を生きよう。という思考に至る。そして、この思考のプロセスの中で、自分がなぜ生かされてるのかを考えることで、自分なりに使命というものをつかむ。

もしかしたら使命という言葉よりは、天命の方が良いかもしれません。使命というのはどちらかというと自分で考えた感じがします。生かされているというニュアンスを含むなら、天命という言葉の方が近いでしょうか。天命があるから生かされているんだと考える。そんな思考です。

おそらく、この思考方法そのものも、人間が生み出したロジックなのかもしれませんが、それが原動力になることは間違いなく、経営者の中にもこうした思考プロセスで自らの天命を定めている人は多いのではないでしょうか。

いやいや、中には僕と同じ歳の45歳の方でも、まったく病気もせず、自分が死ぬと思ったことは一度もないという人もいるかもしれません。

ただ、そうだとしても身近な人が亡くなって「死」について考える機会を得た経験は多くの人が持っているんじゃないかと思います。その人の死をもって、人はいつ死ぬかわからない、だからこそ自分は精一杯がんばろうという気になる。そういった経験があるのではないでしょうか。

僕もそのように「他者の死」をもって、自分のやるべきことを見出すという経験が今までに何度かありました。

ただ今年、これまでとはまた違ったレベルの経験をしました。

それは本当に大切な人を亡くしたという経験です。
ちなみに、僕らは鎌倉自宅葬儀社という事業をやっていますが、人間には本当に心の底から悲しい葬儀というのが生涯に平均3回程度あるそうです。また聞きの情報なので真偽性はよくわかりませんが、でもその1回を今年経験しました。

本当に身近な人が不意に亡くなった時というのは、そもそもその身近な人間の「死」をもって自分が精一杯頑張ろう、そんな風にはひとつも考えられません。あまりにもショックすぎて、ただただ悲しいという感情に支配されてしまう。

天命があるから生かされているということを書きました。これは自分自身が生きるためのロジックですが、このロジックでいくなら、亡くなったということは天命を果たしたから亡くなったといえる。では、その人の天命は一体なんだったんだろうかと考えてみようとしてもさっぱりわからないし、そもそも考える気力も起きない。まだまだやれることがあったはずだと、身近な人であればあるほど無念な思いが勝手にこみ上げて悲しくなります。

もしかしたら、歳を重ねるということは、世のなかの道理がだんだんわかってくるということでもあるけども、一方で、まったくわからないことも逆に増えてくる。

そういうものなのかもしれない。とも思うのです。

でも、そんな大切な人の死を通して、少し時間が経って得たこともあります。

例えば、死ぬことが少し寂しくなくなったような気がします。なぜなら死んだ後に彼が先にいることがわかっているから。僕は一応、輪廻転生を信じる派なので、もう生まれ変わっちゃっているかもしれませんが。

そしてもうひとつ。

生きている人同士が「死」について語りあうこと。これは、その人と深い部分でつながる行為なんだなということも体験してわかりました。

葬儀は、死んだ人のためにするのではない、遺された人のためにするものだ。これはよく聞くフレーズでした。でも、そのことの意味を、僕は体感値としてまで理解できていませんでした。

遺された人同士で、亡くなった人のことを語りあうことで、悲しみが癒され、残された人同士がつながる。そのことを今年は体感しました。

でふと思ったのですが、もしかしたら、日常的にお互いに、「死」についてどう考えるのか、あるいは過去の自分の身近に起きた「死」にまつわるあれこれ。これを語りあうだけでも、今、目の前の人とつながりやすくなるのかなと。

より良く今を生きるというロジックで「死」について見つめたり、語るのではなく、いま目の前にいるあなたとつながるために「死」について語る。

いつも日記を読んでいただいている皆さんと、この日記を通してつながれれば幸いです。

今年一年間もありがとうございました。

当日記の無断転載は禁じられておりません。大歓迎です。(転載元URLの明記をお願いいたします)

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